万博を歩こう・TOP > 愛知万博訪問記 > 22

愛知万博訪問記

前へ 次へ


 #22 展望台 05/09/03

 万博もとうとう最終月に突入、そして最初の週末。仕事が終了して、いつものように車で会場へ直行。いつも聞いているFMラヴァースによると、すでに会場周辺はかなりの渋滞とのこと。でも、引き返すわけにもいかず、そのまま強硬突破です。

 下の写真は会場へ向かう途中、車内から撮影したものです。公共交通機関や営業車などに、ご覧のようなモリコロのイラストの入ったステッカーが張ってあるのをよく見かけます。会場周辺だけでなく、名古屋駅や県庁前、栄のモニュメント、通りを彩るバナー、協賛企業の前に掲げられたモリコロの看板などなど、名古屋の街中が万博の雰囲気に満ちています。

 万博会場だけでなく、万博色に満ちた名古屋の街も、記録に留めておきたいと急きょ思い立ち、閉幕寸前になってやっと街中の撮影を始めた、今日この頃です。

名鉄バスとモリコロ。 モリコロ・イラスト入りのトラック。後ろはアフリカ館。


 さて、肝心の駐車場、まったくありません。今まで見たことのない混雑ぶりです。県道田籾線沿いの「三峰P」はもとより、最果て、名商大前の駐車場も既に満車。仕方がなく、そのまま直進し、日進市を一周して再び県道長久手線に戻ってきました。とうにかこうにかトヨタ博物館近くで民間駐車場を発見(倍の料金でしたが)。駐車場探しに1時間も掛かってしまいました。



 1、大混雑のグローバルループ

 会場周辺の混雑ぶりから想像できたことなのですが、会場内も人、人、人(写真上段)。今日は、なんと、今までの記録を大きく更新する、25万人弱の来場者数だったのです。いつもグローバルループを走るグローバルトラムも運行を中止せざるおえない状況、停車中のトラムは格好の撮影スポットになっていました(写真左下)。それを見た私も、係員の方(もちろん女性)とさっそくの記念撮影です。

 パビリオンの入館は諦め、混雑時にいつも退避している地球市民村へと向かいました(写真右下)。しかし、こちらも今まで見たことのない混雑ぶり。考えていることは皆、同じのようですね。

西エントランス 大混雑のGL
停車中のトラム 大混雑のルミナリエ



 2、展望台

 地球市民村をはじめとした「遊びと参加ゾーン」も大混雑となれば、次なる避難場所に移動です。途中のコモン6も、グローバルループから見下ろすと、こちらも芋の子を洗うよう。とてもじゃないですが、ゆっくり散策できるという状態ではないですね。5月に訪問したときと比較してみてください(bR-2の写真右)。いかに今日の来場者が多いかわかりますね。

 それでは、混雑時の避難場所はというと、それは並ばずに上がれる「展望台」、ガスパビリオンの屋上です。こちらは、愛知万博の長久手会場で唯一屋上に上がれるパビリオンとして知られています。パビリオンのショーは未だに見ていないのですが、屋上へは並ぶことなく気軽に上がれるものですから、何度も足を運んでいます。

 ショーを待つ行列を横目に、外の階段から上がっていくと、左手には「愛・地球広場」やグローバルループが眼下に広がっています(写真右)。東方向には企業パビリオンゾーンBが広がり、トヨタグループ館や日立グループ館を上から見ることができます。西方向は、北ゲート。いつも、グローバルループを行くトラムやベロタクシーを眺め、万博の景観を楽しんでいます。

GLから見たコモン6 ガスパビリオンからみた光景

 
 大阪万博と愛知万博を、ついつい比較してしまうんですが、これらの景色を見ながら感じたことがひとつあります。

 大阪万博は、「太陽の塔」や「虹の塔」をはじめとした、高く巨大のパビリオンが視界の果てまで続いていました。多くの奇抜な、そして巨大なパビリオン群を下から眺めながら、幼心に「未来」なるものを感じていたように記憶しています。

 それに対し、建築学の専門家からは散々こき下ろされた愛知万博ではありますが、こちらは箱庭みたいな景観を上から見渡す、という楽しみがあります。言うなれば、ランドスケープに重点が置かれた、造園学がリードした万博、という印象を持ちました。「下から見上げた大阪万博」、「上から見下ろす愛知万博」、ということになるんではないでしょうか(この件に関しては別項で、さらなる考察(?)を予定しています)。

 
 ちなみに、この愛知万博の展望台には、「大観覧車」(全景わんぱく宝島)、 「展覧車」 (電力館コモン6)、「北ゲート」などがありますが、なんたって一番の展望台は「グローバルループ」ですね。



 3、スリランカ館

 コモン1を散策しているうちに日も落ちてきました。そこで夕食。コモン1のパビリオンではよくカレーを食べたますが、一番のお気に入りは、何度も登場しているスリランカ館のレストラン。今日は豪勢にいろいろと注文してみました。隣りに座った外国の方がおいしそうにビールを飲んでいるのをみていると、こちらもついつい飲みたくなってしまいますが、我慢、我慢です。

 館内では、パーカッションによる演奏。前回は4名でしたが、今日は5名。それも、激しいダンスを踊りながらの演奏です。音が鳴り出すと、ステージの奏者を囲む観客も見る見るうちに増えていきます。前回は、サンバのようなリズムの曲など2〜3曲を聴いただけでしたが、今日は曲想も盛りだくさん。久しぶりのパーカッション演奏を堪能しました(カレーも)。

スリランカ館のカレーセット スリランカ館のパーカッション



 4、美濃和紙あかりアート

 企業パビリオンゾーンB、コモン1と下り、愛知県館を通過して「美濃市あかりアート」の展示が行われている「かえで池」の方へ足が向かっていきました(ほとんど行き当たりばったりですから)。

 岐阜県美濃市の和紙を利用したあかりのオブジェは毎年、地元で展示するイベントが催されているとのことですが、この愛知万博では昨年の優秀作品39点が展示されています。愛知県館から「かえで池」沿いの道200mにずらっと並べらべられていて、「かえで池」に映える夜の愛知県館とともに幻想的な空間を醸し出しています。

 点灯は18時から21時まで。その間、地元のボランティア4名の方が現場に張り付いて案内・解説をされています。私が到着したのが、消灯(?)の10分前でしたが、快く会場の方へ入れていただきました。2〜3組の家族だけが残った会場を急ぎ足で回ることにしました。

 パビリオンから離れ、暗闇の中に浮かぶあかりを眺めていると、昼間の「かえで池」の賑わいとは違った雰囲気を味わうことができます。「かえで池」に浮かぶ夜の愛知県館もすばらしいのですが、一番奥から見える、コモン6の尖塔の灯かりも、ぼんぼりのよう。

 駐車場探し煩わしさや会場の喧騒を忘れさせてくれる、静かな夜の万博会場でした。

かえで池愛知県館 あかりアート愛知県館

                                                           ←前へ  次へ