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愛知万博訪問記

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 #23 全館制覇 05/09/06

 型の台風14号が日本上陸。予想より速度が遅くなり、東海地方には7日の午前中に最接近とのニュース。水曜定休日朝から万博訪問を予定していたのですが、今日(休日前日)の午後から訪問に急きょ変更。一旦帰宅、家を出るとき、入れ違いで帰宅した中学生の次女に「これから万博、行ってくるで」というと、「え、マジ? 風強いよ」とえらい呆れた様子。今にも
雨が降りそうな気配でしたが、強風の中、地下鉄駅へ急ぎました。

 でも、私だけではなかったんですね、こんな台風の中、万博に来る物好きな人は。今日の来場者数は少ないというニュースを聞いて、会場へ飛んで来た人も結構いたのではないでしょうか。ニュースの通り、会場内は久しぶりにガラガラ。時刻もまだ16時半ですし、未訪問のパビリオンを少ない待ち時間で入場する絶好の(最後の)機会。そんなわけで、まず、まだ入場していなかった2つのパビリオンと、是非もう一度訪れたかったパビリオンに行ってきました。


 1、三菱未来館、再訪

 閉幕までにもう一度行きたかったのが三菱未来館。三菱未来館については何度も触れてきましたが、これだけ同館に思い入れがあるというのも、やはり万博小僧の原点、大阪博での印象が今でも強烈に残っているからなのでしょう。

 今日は50分待ち(写真左上)、最近の120分待ちに比べると行列は少ないのですが、開幕すぐに待ち時間なしで入館した私としてはちょっと抵抗感がありました。でも、今日を逃すと・・・、と思い、列に加わりました。涼しくなったということもありますが、列にならんで待つという行為も苦にならなくなりました。なにしろ、何時間もの行列に何度も並ぶという、数々の修行をしてきましたからね。それどころか、このように並ぶのも、もう最後かもしれないという感慨のほうが強くかったです。並んでいる最中も、あちこちの景色を見ながら、この光景を目に焼き付けてかなあかんなぁ、という思いでいっぱい。

 メインシアターでの映像は何度見てもすばらしいものです。前回訪れたときのことを思い出しながら、今回が多分もう最後なんだろうなと、またまた感慨に浸ってしまいました。2回目にもかかわらず、今日も存分に楽しませていただきました。そして、出口付近のショップでは、大阪博のときと同じく、同館の絵葉書を記念に購入。感慨深い再訪でしたが、いつの日にかまた、大阪、筑波、名古屋デ、愛知に次ぐ、第五の「三菱未来館」に入館できることを心待ちにしています。




 2、ガスパビリオン

 最後に残った人気企業パビリオンがガスパビリオン。唯一屋上に上がれて会場の景色が楽しめるスポットでもあります。私も何度となく上がっているので、もうすっかり入館した気分になり、メインショーへ行くのが遅れてしまいました。こちらは70分待ちの表示でしたが、実際にはもう少し短かったようです。


 プレショーのBGMが、なんと私の好きなバリトンサックス奏者のロニーキューバー。あのフレージングといい、フラジオ(高音)といい、間違いありません(と思います)。R・キューバーの奏でるファンキーなサックスに、否応なしに雰囲気が盛り上がっていきます。

 でも、肝心のガス・マジック・ショーは「えっ、こんだけ?」って感じ。私だけではなく隣に座っていた若者のグループもあっけに取られた様子。演劇のことは無知な私でも、これはいかにも演出が悪すぎるのではないかと思ってしまいました。若手の俳優さんが一生懸命演じられていたのですが、会場の盛り上がりも欠け、観客の反応がいまいちなのは気の毒でした。最後の企業パビリオンということで、期待して入っただけに、ちょっと拍子抜けでした



 3、フランス館

 一番最初に万博へ演奏に来たとき、フランス館へも「入館」したのですが、その時刻が会場を出発する直前。展示はみたのですが、時間がかかる映像は結局諦めて帰らざるおえませんでした。今日は映像を見るだけのために再び訪問。

 天井と壁全体がスクリーン(写真右)、テーマは「未来に将来はあるのか?」。今回の万博では、赤十字館と並んでメッセージ性の強い映像でした。飢餓、貧困、汚染、戦争・・・・、これでもかこれでもかと、どぎつい映像が次から次へと映し出され、メッセージが文字通り(見た人なら分かりますよね)、観客に投げつけられます。正確には記憶していないのですが、次のようなメッセージが印象的でした。
 「地球は親の世代からの贈り物でなく、子供の世代からの借り物である」
 「何が『できるか』ではなく、何を『するのか』が重要である」



フランス館内部 フランス館の映像


 他館の観光誘致や遺跡巡りの映像もすばらしかったのですが、このフランス館の映像は他の外国館にないものでした。また、赤十字館はミスターチルドレンの歌により感情移入してしまう人が多いように見受けられますが、こちらはもう淡々と映像が映し出されて次々とメッセージが投げつけられます。愛知万博で一番最後にみたフランス館が、このように万博のテーマに即したものというのは象徴的でした。有意義な15分間でした。

 
 て、これで愛知万博のパビリオンは全館制覇(拍手)。総括はいずれまた、ということで。


 
 4、台風の影響

 ランス館見学のあとは、ヨーロッパのパビリオンを中心に再訪問。このところの混雑で、もう一度行ってみたいパビリオンもなかなか気軽に入れませんでした。しかし、今日は台風の影響で人影もまばら、どこも並ばずに入館できました。スペイン(写真左上)、ギリシャ(写真右上)、そしてコモン4に駆け足で移動して、アイルランド、リトアニア、ロシア。いくつかの外国館では早々と20時に閉館しているところもみられました。

 お気に入りのリトアニア館、いつも待ち時間なしで入れるので、コモン4に来ると必ず足を運んでいます。もう10回以上は訪問しているでしょうか。いつも、パネルを操作したり、ショップを覗いたり、新しいパンフレットをいただいたり。そして今日はお土産に、古城の置物(写真右下)を購入しました。以前からどうしようか迷っていたのですが、まもなく閉幕ですから、思い切って買ってまいました。

スペイン館の内部。 ギリシャ館の内部。
閑散としたコモン4 リトアニア館で購入の置物。


 21時の閉館とともに、外国館スタッフもいつもより足早に退出の様子。このところのコモンは、歩行者天国のような混雑ぶりでしたが、今夜はガードマンの方以外、数人の客がまだ残っているだけの状態。雨も少し落ちてきたので、私もコモン4を後にしました。各コモンの地図も今日は強風で飛ばされないように巻き上げられています(写真左上)。西口へのGLもご覧のように、ガラガラ。先日、入場者数が最高の25万人を迎えた日の混雑ぶりがうそのようです。途中、まだライブをやっていたアフリカ館に立ち寄り遅い夕食、アフリカ・ビールも一杯いただきました。



 日は台風接近で強風が吹き荒れる一日でしたが、強い雨にも降られず、久しぶりにゆったりとした会場を散策・見学でき、ラッキーな一日でした。それに、気になっていた未訪問のパビリオンも訪問できましたしね。リニモの駅へ向かう途中、ネオンで美しく光輝く観覧車をほろ酔い気分で見上げながら、あと何回ここへ来れのだろうと、またまた感傷に浸ってしまいました(目標はあと7回ですけど、一応)。

リニモ「公園西駅」から見た大観覧車

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