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万博イベントレポート

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#11 記録映像試写会  05/05/26
 

 覧会協会主催による「愛・地球博記録映像試写会」が、愛知県芸術劇場大ホールにおいて開催されました。「1時の部」と「4時の部」の2回、各1700人の来場者が訪れました。

 「4時の部」開場の10分前に着くと、会場の芸術劇場は既に長蛇の列。葉書きの申し込みという手続きをして、平日の午後にこれだけ多くの人。万博が閉幕して8ヶ月が経とうとしているのに、未だにこれだけのファンを魅了し続けているとは、まさに「恐るべし、万博パワー!」。

 司会は、FMラヴァースでお馴染みだったの佐野瑛厘さん。最近、名古屋のFMでもそのお声を聞くことができるようになりました。FMラヴァースを通じてファンになった私としてはうれしい限りです。佐野さんの流れるようなトークを聞いていると、いつも聞いていたFMラヴァースのジングルを思い出しますね。お姿を拝見するのは、昨年9月25日のフェアウェル・パーティー以来です。

 そして、中村事務総長が挨拶で登場。今日上映される映像が、近々DVDとして発売されると公表されると、満員の場内は拍手の渦に。私も楽しみです。



  
 映像は、愛知万博の公式イメージソング「I’LL BE YOUR LOVE」でオープニング。この曲を聞くと、一気に万博モードに。開場時間にゲート前で流れていたこと、FMラヴァースで流れるこの曲を聴きながら真っ暗な飯田街道を運転して帰っていたこと、などなど。会期中のいろいろな情景が想い浮かんできます。

 開会式から閉会式までの様子を縦軸に、各コモンの紹介を横軸に、これらを交互に織り交ぜながら、物語は進んでいきます。どれもが懐かしい思い出。ほんの8ヶ月前までは日常生活の一部だったのが、今では記録と記憶の中にしか残っていないんですものね。

 映像のなかで、思わず身を乗り出す場面が2回ありました。ひとつは、「森の自然学校」の紹介のとき、私のグループを引率して下さったインタープリターさんの顔がアップで映し出されたとき。確か、滋賀県出身の若い女性の方、その節はお世話になりました。もうひとつは、電力館と三菱未来館の紹介のとき、パビリオン内で流れていた音楽。それぞれ、1・2回訪れただけなのですが、あのBGMを聞いただけで、会期中のパビリオンにタイムスリップ。音楽というものが、いかに人の記憶と密接に繋がっているのか、改めて実感しました。

 そして、最終日の映像。アテンダントやボランティアのみなさんが横に並んで、会場をあとにされる人たちを見送る姿には、思わず感傷的になってしまいました。あのような瞬間もあったんですね。それも遠い過去に・・・。DVD発売時には、また感慨にふけりたいものです。


       


#10 リトルワールド〜愛・地球博回顧展 05/05/24
 

 リトルはいつでも万博だ!

 名鉄電車のホームでふと見つけたポスターに、このようなキャッチコピーが。万博会場で活躍した自転車タクシーがリトルワールドでも運行されることは、ニュースで知っていたんですが、愛知万博の回顧展が開催されていることは初めて知りました。

 そうだ、久しぶりにリトルワールドへ行こう! と思いつつも、バンドのコンサートや諸行事が重なったため、なかなか訪問する日がありませんでした。そして、今日は久しぶりの空き日、朝から快晴。ということで、朝からひとりでリトルワールドへ行ってきました。


 民族学博物館

 20代のときは民族学にハマっていて、「国立民族学博物館・友の会」に入会していたほどです。博物館は大阪万博記念公園にあり、太陽の塔を見がてら、2回ほど訪問しました。そんなころ、犬山に野外民族学博物館ができるとの話が。世界各地の建造物が移築・復元されるのは世界で初めてとのこととか、完成する前から楽しみだったのは言うまでもありません。それがこのリトルワールドだったんですね。
 
 完成してまもなくは建造物も少なく、あちこちに空地がみられました。それが来るたびに建造物が増えていき、それがまた楽しみでもありました。展示も本格的、分野ごとに体系的に陳列してあり、映像も多くみられました。30代になってバンドを再開してからというもの、民族学から離れてしまいましたが、民族対立とか少数民族問題が新聞で取り上げられると、ついつい目が留まるのは、現在でも変っていません。

 
 さて、十数年ぶりに訪れたリトルワールド、えらく変っていました。建造物の展示だけだったのが、伝統的な建造物の敷地内や内部に売店ができ、民族衣装の試着体験ができるなど、「商業化」「テーマパーク化」していました(ちょっと違和感がありましたが)。博物館だけでは集客が困難、財政的に厳しいことから廃止も検討されたことがあったようですが、このように展示方法を変えていくことが集客に繋がり、それで貴重な施設が存続されたのであれば、この試みは成功だったということでしょう。今は、博物館というより「万博会場」に近い状態ですね。
 

 回顧展

 今日の訪問目的のひとつは、万博の回顧展。13の外国館から約200点の資料が、このリトルワールドに寄贈されたといいます。展示は、その一部をもとにしたものだとか(写真右)。他の施設に移設された「万博遺跡」と異なり、民族色の強い民具・楽器・衣装が多くみられました。アフリカ共同館や南太平洋共同館などで触ることができた打楽器もいくつかありました。

 「アフリカ共同館、打楽器」というと思い出すのが、バンドのドラマー、F氏。バンドで万博会場に演奏へ行ったとき、アフリカ共同館のスタッフと即興でパーカッションのバトル演奏をし、黒山の人だかができたそうです。見てみたかったですね。打楽器というのは世界の共通語なんですね。・・・なんてことまで、今日は回顧してしまいました。



 
 自転車タクシー

 もうひとつの目的が自転車タクシー。万博開幕当初はあまり人気がなかったそうですが、閉幕間際は大人気。私も並んで乗車しました(写真左)。心地よい風に当たりながら会場風景が楽しめ、また、ドライバーさんとのおしゃべりもいい想い出となっています。

 さて、リトルワールドに到着後、すぐに自転車タクシー乗り場に向かったのですが、一足違いで他のお客さんが乗っていかれました。建造物を見学しながら散策しているうちに、イタリア・アルベロベッロの家の前でまたまた自転車タクシーを発見(写真右)、さっそく乗車してきました。

 リトルワールドの周遊路は一周2.5km、愛知万博会場のグローバルループが一周2.6kmだったのとほぼ同じなんですね。でも大きな違いが、傾斜。万博のときとは違ってドライバーさんもちょっとシンドそうです。といいながら、万博のときと同様、会話も弾み、楽しいひとときを過ごさせていただきました。

 この時期、平日は遠足などで学生さんが多く、土日は家族連れが多くみられるそうです。私のように、この自転車タクシーが目当ての万博ファンも少なくないらしく、「暇な人も結構いるもんだな」とひとり、関心していました。
 

     万博会場   → リトルワールド


 万博会場、名古屋城近く、そして今日のリトルワールド。ドライバーさんたちに共通なのは、みな気さくでさわやかなお兄さんたち、ということ。今日も中学生相手に記念撮影のサービスをしたり(写真下)、すれ違う学生さんたちに声を掛けたり。みな、エンターテイナーですね。

 自転車タクシーについて触れているブログなどをみていても、ドライバーさんたちの評判は上々。自然にやさしい乗り物だとか、万博の想い出だとかいうだけでなく、このような彼らの日々の積み重ねが、自転車タクシーファンを増やしているんではないかと、改めて感じました。またどこか他の場所でもお会いしたいものです。


 
 リトルはいつでも万博だ!

 朝から雲ひとつない快晴、遠足の学生さんたちにご年配の夫婦連れやグループ。展示を見ながら回廊を1周、あちこちの売店では冷たい飲み物を求める学生さんたちの賑やかな声。くしくもちょうど1年前、初めてひとりで万博におとずれた日のことを思い出しました(こちら)。万博が閉幕して、はや8ヶ月。なんか今日は久しぶりに万博気分を味わった気がします。リトルはいつでも万博だ! なんか、納得です。

                     

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