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上海万博訪問記2
#2 2日目(8月16日) 4、中国人ウオッチング 「実践区」はあまり食事をする場所がなく、たまたま通りかかった、いかにも地元の人が家族で出店しているというお店に寄ることに。適当に注文。 これがなかなかの量。スープもめっちゃんこ熱く、この40度を超える暑さの中、スープを飲むごとに汗が滝のように落ちてきます。屋外で、冷房もないし。入った当初はガラガラだったけれど、そのうち家族連れが入ってきてあっという間に、満席。4人掛けの私のいるテーブルにも、小学校低学年の男の子を連れた家族が座られました。 なごやかな家族の会話や、子供に対する気遣いなどを見ていると、日本も中国も変わりがないものだと感じました。 2度の上海訪問で、見ていてとても興味深かったのは、もちろん「上海万博会場」、そして「上海の街」。もう一つが、「中国人」。中国人の中に一人混じって、中国人を観察(?)する機会など、滅多にないわけですので、中国人ウォチングはとても面白かったです。 実際に見た中国人。先ほどの家族ではないですが、ごく普通。当たり前と言えば当たり前。国家の体制は違えども、それぞれがそれぞれの環境の中で、一生懸命、そして楽しく生きていこうとしているのも、まったく変わりがありません。上海のような都市住民層に限って言えば、と言うことになりますが、私が感じた中国人観を。 1)マナーが悪い これはあちこちの報道や、上海万博を経験した方の感想、そして北京に行った家内や、開幕前に上海に行ってきた長女の感想の通りでした。実際に目の当たりにすると、びっくり。 a、地下鉄では、降りる客を待たずに乗車する。 b、行列を抜かす。 c、公共の場でも声がでかい。 cに関しては、マナーというよりも、公と私の捕らえ方の差異によるものと言えるかも。行列ではぴったりと体をくっつけてくるし、個人と個人の距離感・プライベートな空間の取りかたが、日本人とは違うのかも知れません。 bに関しては、今まで行列を作ることの経験が少なかったから、列を作って待つということに慣れていないからとも思われます。あるパビリオンで、いかにも田舎から来た風貌の女性2人組み(同世代か)が、行列をどんどん掻き分けて前に進んでいくではありませんか。それを、いかにも都会人という夫婦(同世代か)が、厳しく叱責していました。この万博を通じて、中国人も少しづつでも変わっていくかもしれません。aについても、同様のことがいえるでしょう。 2)親切である 上海万博へ行った人が口を揃えて言うのは、中国人はとても親切であるということ。まあ、旅行者についてはどこの国にも言えることなのかもしれませんが、ここは思っていた以上に親切に接してもらいました。 前回、地下鉄のキップの買い方も分からないとき、通りかかった中国人親子に頼んだら、若いお父さんも小学生低学年の男の子も、一生懸命教えてくれました。街でも、万博会場でもとても世話になったものです。 ツアーでご一緒した70歳の方たちもおっしゃっていましたが、年長者に対する若者の態度は、意外にも儒教的というか、年長者を敬うもので大変感服したそうです。入館を待つ行列の中、若者が椅子を貸してくれたのはいいが、その若者は2時間の間ずっと代わりもしないで立っていたとか、こんな話しでいっぱい。 こういった態度は文化大革命で失われたというような話を聞いていましたが、年長者を敬う姿勢は日本以上とのことでした。こういう点に対して「日本の若者はダメだ」という、お一人の方のことばが印象的でした。 3)ナルシスト 中国人はとにかく写真好き。至るところで記念撮影するものだから、こちらがなかなか目的の物を撮影できない。そして、若い女性でも高級カメラを普通に所持していて、驚きました。 撮影されるときは、見ているこちらが恥ずかしくなるようなポーズ。小学生低学年の女の子から、そのお母さんの世代まで、グラビアのようなポーズをとるのには、呆気にとられました。このような状況は、聞くところによると東南アジアでも共通らしいですね。 4)ウンコ座りをしない 民族学的見地からの(と言うほど、大袈裟なものでもないが)、一番の発見は「中国人はウンコ座り」をしない。 日本人は、子供の頃から当たり前のようにウンコ座りをするし、立っていて疲れると普通にウンコ座りや、片膝を地面につけたしゃがみ方をします。 中国人は、一切ウンコ座りをしないし、しゃがまない。立っているか、小型の椅子に座る方どちらか一方。ちなみに、地面に尻をつける「体育座り」は、芝生の上や室内ではするが、地べたには決して直接座ることはありませんでした。 以前、目にした本には; 照葉樹林文化圏の、日本~東南アジア~雲南では、地面の湿気から逃れるために高床式住居が発達した。よって椅子は発達しなかった。このことから、休憩は椅子を利用せず、しゃがむということになる。 中国などは、地面の湿気から逃れるためにベッドと椅子が発達。休憩するのに椅子を利用すればいいので、しゃがむという行為をする必要がなかった。 というようなことが、書いてあったような記憶がありますが、中国人を見ていて、この本のことを思い出しました。中国人がウンコ座りをしないというのは本当だったんですね。 と、まあ、マナーから習慣まで、中国人を見ていて気が付いたことを、書き留めてみました。 随分と前、来日した中国人学生が、「日本人がとても親切なのには驚いた。日本人は怖いという様に周囲から教えられてきたし、報道でも同様だった」と、新聞にありました。 反対に自分が中国へ行ってみて、この学生とまったく同じことを感じたわけですね。教育や報道というのは、一方に偏っていて怖いもの。他国に行く機会がない人には、そのような情報がすべて。そこで形成されるステレオタイプが、ずっと継承されていくことになるわけなんですね。 「自分の目で実際に見てみる」ということの重要性を、改めて気付かされた「中国人ウォチング」でした。 |