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上海万博訪問記2 

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 #1 1日目(8月15日)

 7、中国省区市連合館
 

 (1)中国省区市連合館へ

 上海万博に何度もいってらっしゃる人から勧めていただいたのが、中国の各省が出展している「中国省区市連合館」。中国国家館は入館が難しくて初めから 諦めていましたが、中国館の下にある連合館は待ち時間なく入れるし、内容も充実しているとのことだったので、行ってみることに(19:00)。

 中国館の北側から西側に長い誘導路が設けられていて、柵に囲まれた通路をどんどんと進むと、やっと連合館の入口にたどり着きました。昼間だと結構な行列が出来るのかもしれませんね。 下から中国館を仰ぎ見ると、本当にでかい。国家の威信をかけて建築した国家館ですから、力が入ってますね。そういえば、大阪万博の日本館もバカでかかったですものね。 ちなみに、写真左下を拡大したのが、その右側。エスカレーターの人影がどうにか確認できます。


 エントランスホールを抜けると、各省のパビリオンが2つのエリアに分けられて展示されています。まあ、アフリカ共同館の雰囲気といったところでしょうか。


 時間も遅いためか、思ったほど混雑していなくて、各パビリオンの写真もゆっくり撮れました。ただ、どのパビリオンもなかなか内容が濃くて充実しているので、ひとつひとつ見ているとかなりの時間がかかります。愛知万博と同じ展示内容の外国パビリオンよりも、はるかに面白い。中国国家館と同様、この連合館にもかなりの予算を配分しているのがわかります。

 (2)パビリオン

 パビリオンの数は31。人気があったのは大都市のパビリオン、どこも行列ができていました。デザインもなかなか凝っています。天津館は、天津の典型的な洋館をモチーフにしたものといいます。時間がなかったので、残念ながら行列のできているパビリオンはパス。

北京館 天津館
広東館 上海館

 こちらは少数民族自治区のパビリオン。チベット館に新疆館。チベット文字やアラビア文字の表記が印象的。上記の人気パビリオン以外は待ち時間もなくスムーズに入館できました。



 (3)展示

 展示も似たようなところもあったように思います。どうしても、パネルが中心の展示が目に付きました。


 そんな中、印象に残っているのが、いかにも”中国らしい”展示。関羽に孔子は納得、そして四川館にはパンダ。そして、多くのパビリオンでみた伝統的な工芸品はすばらしかったですね。


 ここでも登場していたのが海宝。大きな像が設置してあるパビリオンもあれば、工芸品の中にこっそりと潜んでいるものも。右下はどこかのパビリオンのマスコットでしょうか、寿がきやのスーちゃんかと思いました。



 (3)印象的なパビリオン

 多くのパビリオンの中で外観が一番すばらしいと思ったのが、江西省の陶器のようなかわいらしいパビリオン。青花染付磁器をモチーフにしたものといいます。磁器を用いた楽器もみられました。


 そして、ちょっとエキゾチックな雲南省。 少数民族のタイ族や白族の伝統的な建築物が再現されています。


 同じく貴州館。こちらも少数民族のデザインも貴重にしているといいます。写真右は「鼓楼」。


 こちらは、唐時代の宮殿を再現した陝西省。多くのパビリオンが現代中国を中心に紹介している中、古代中国の雰囲気に浸ることのできる空間でした。



 展示内容で一番だったのは、ダントツで上海館。北京館や広東館と同様、 実はこの上海館も長い行列が出来ていました。並んでまで入るのも、と思って、行列を見ただけで引き返す私に、若い男性スタッフが、英語で「上海館に 入りたいか?」と聞いてきました。「もちろん」というと、行列に並ぶことなくパビリオンに入る手前の待機所まで案内してくれました。中には、ひと目で外国人とわかる欧米系の人たちのグループ。

 「ああ、外国人は優遇してくれるの」と、まあ、ここはお言葉に甘えることに。パビリオンのバッジをいただきたので、モリコロの缶バッジをお返ししました。少しは、喜んでもらえたかな?  ちなみに、上海滞在中に英語で話しかけられたのはこの時だけでした。

 展示内容はというと、これがこの上海万博で体験した中では一番面白かったのではないかと(大型パビリオンは体験していないので、知りませんが)。 長久手日本館のような(小型プラネタリウムのような)シアターの中央に、円形の座席があり、これが”タイムマシーン”の座席という設定になっています。 スタートと同時に、”タイムマシーン”は現在の上海市を流れる黄浦江を走行、船のようには前後左右に揺れて、臨場感たっぷり。 よく遊園地にある、ジェットコースターの擬似体験ができるボックス型の遊具と、コンセプトを同じですね。

 ”タイムマシーン”は、飛行機になって上海市の上空を遊覧したり、 現在から租界時代や清朝時代にタイムスリップして、租界時代の上海のメインストリートを、バスから眺めるような場面もあったりと、とても楽しめるものでした。「華やかなりし、旧きよき上海」の歴史と、現在の上海を比較しながら紹介していくという”時空を超えた旅”、スリリングでとても楽しめました。終わると、あちこちから拍手、私も思わず一緒に拍手していました。

 大型パビリオンや、このようなアトラクション型パビリオンにはあまり入っていないので、なかなか貴重な体験ができた上海館でした。誘ってくれた若いスタッフさんに感謝です。

 (4)夜景

 ゆっくりと連合館を見学して、出てきたのが20時半。日中歩き回った後に、これだけの数のパビリオンを集中して見ていると、最後の頃はもうへとへと。21時を過ぎると、人気のある欧州館のパビリオンも待ち時間がほとんどなく入場できると聞いていたので、この辺りで西端のCエリアに移動することに。

 中国館の夜景や、上海万博のシンボルでもある中央の回廊「世博軸」の夜景を見ていると、またこの場所に来ることができて本当によかったなと、改めて思いました。


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