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上海万博訪問記
#3 4日目(6月14日) 3、上海博物館 (1)上海博物館 2つ目の観光スポットは、上海博物館[10:40]。国宝級の文化財が陳列されている、中国国内でも屈指の博物館とされています。方形の上に円柱形が積まれた建物が特徴的、パンフレットによると、中国古代の宇宙観「天円地方」(天は円く地は方形)説に従ったとのこと。建物は、”水堀”で囲まれ、唐獅子が見守っています。その前の「2010 EXPO」の文字がくっきりと浮かぶ花壇も、きれいに整備されていますね。その前には、海宝の姿も。 館内は、各自自由行動。1時間後にロビーに集合とのことでしたが、私を始め数人は、付属のミュージアムショップに行きたかったので、入場する前にまずはそちらに行くことに。私のお目当てはもちろん、万博関係の書籍。初見の万博本と絵葉書を見つけ、即購入しました。 さて、館内の見学ですが、1Fから4Fまで分野別に展示されていて、かなりの広さ。わずかな時間に見学できるブースは限られているので、まずは4Fの「少数民族工芸館」に行って見ることに。 展示は、とてもシンプル。そんな中、民族衣装の展示を中心にのぞいてきました。ちなみに館内はフラッシュを使用しなかったら、撮影が可となっています。 中国は、漢族の周囲を少数民族が取り囲むという他民族国家。モンゴル、ウイグル、チベットなどの有力民族はよく知られていますが、展示は南方の諸族(タイ、ミャオ・ヤオ)が中心。原色を使用した民族衣装が目を引きますね。 展示の中で一番気に入ったのが、清代・モンゴル族の将棋「銅象棋 / Brass chess pieces」。盤や駒も、将棋というよりは、チェスに近いですね。王将というかキングは、よくよく見ると大黒さまのような感じも ・・・。
「少数民族工芸館」のお隣が「中国歴代貨幣館」。時系列に沿って、各時代の貨幣が展示されています。やはり古い時代の貨幣に興味が。写真左は、中国を統一した秦が、全国の法定貨幣と定めた「半両銭」。これが、方孔円銭(四角い穴の円形銭)の始まりとされているそうです。 3Fに降りてきて入ったのが、「中国歴代印章館」。印章だけでなく、印影も展示されているので、素人にもわかりやすいですね。印章は、商・周の時代から使用されていたといいます。書とか絵画もあったんですが、この辺りで時間切れ、集合時間となりました。 各階の廊下の壁には、万博のポスターが掲示されてあります(こちら)。長女が、万博開幕前に上海ツアーに行った際に、街角に溢れる万博のポスターを撮影してきてくれました。その中に、この上海博物館の写真もあったので、「そう、これこれ」と思わず”懐かしく”感じてしまいました。 待ち合わせの1階ロビーには、「上海世博会 城市志願者服務站」(ボランティアのサービスステーション)。リニアモーターカーの駅にも、同じものがありましたね。毎月5日が、ボランティアの活動日のよう。テーブルの上にあったプレートにもスローガンが見られたので、ここでも紹介。万博関係のパネルやポスターには必ず見られるスローガン。本当にスローガンが好きな国なんですね。 ”迎世博、譲文明、樹新風、”三五” 集中行動” ”微笑的城市、満足的你”
上海博物館を後にして、昼食会場へ[13:00]。道中、下町っぽい風景に出くわすと、ついついカメラが向いてしまいますね。昼食は、嘉軒大酒店というホテルで海鮮料理。ホテルの周辺には、万博グッズのパチモノを販売する人たちがいて、バスの中まで入ってきて商売をする熱心さ、これもお国柄かと驚くことしきり。 昼食後、次の訪問先に向かう途中に、ゴミ収集車に遭遇。車両にも、あちこちで見かけるスローガンが記してあります。”精彩世博、文明先行”。「万博をすばらしいものにするために、マナーを守ろう」ということでしょうか。 (2)上海展覧センター 次の訪問先は、上海展覧センターという、中国の美術工芸品の展示販売場[14:00]。つまりは、買い物ツアーの第二弾とことのようです。建物が非常に特異な様式。ガイドさんによると、歴史は次のよう。 1954年の中ソ蜜月時代に、ソビエトの援助で「中ソ友好記念会館」として建設される。したがって、建築様式はソビエト風(スターリン様式)となっている。しかし、まもなく中ソ対立の時代に突入、記念会館は工業展示場になり、1984年に現在の展示センターになる。 中国における美術工芸品の伝統は、文化大革命で破壊されてしまったので、中国の美術工芸品を再生していこうというのが、当センターの役割の1つとなっているそうです。展示品は1セット60万円の美術品から、ガラスで作成された海宝のキーホルダーまで様々。私は、キーホルダーだけを記念に購入しました。 ガイド兼販売員の女性の日本語による解説の中でとても印象的だったのが、よく出てくる「皇帝様」という言葉。もちろん、清朝(1644~1912)の皇帝のことであることは言うまでもありませんが、滅亡後100年近くが経過し、社会主義の国家になってもこのように市民から畏敬の念を抱かれているとは、ちょっと新鮮な驚きでした。 |