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上海万博訪問記 

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 #3 3日目(6月13日)

 4、D11&D10(企業館)

 (1)ドライミスト
 東西に延びる高架歩道の本線から外れて、北に行ってみることに。上海万博会場では、愛知万博を継承しているものを多く見かけましたが、ここでまたまた発見。グローバルループで使用されていた霧噴射冷却システム、「ドライミスト」。当地では「中国娃」と呼ばれているようです。テントを支えるノズルからミストが噴射されていてとても涼しげ。懐かしいなと思いつつ近くまで寄ってみると・・・。やけに騒音はするし、床面はびしょ濡れ。どうもミストの粒子が粗いのか、霧状にはならなくて床を濡らしているようでした。

「ドライミスト」
 

 高架歩道と、浦西エリアを東西に貫く龍華東路に挟まれた細長いエリアに、企業館が並んでいるので、そこを順に巡っていくことにしました[11:45]。階段を下りてすぐが、中華文化の象徴である玉文化を紹介する震旦館。屋上や庭にはオブジェが。屋上は、玉の彫刻「紅人玉人」、とか。

震旦館

 こちらが、龍華東路。幹線沿いはどこも、樹木やストリートファニチュアーがきれいに整備されていますね。

龍華東路

 (2)中国鉄道館

 震旦館のお隣が中国鉄道館。来館者の間での撮影スポットとなっているのが、パビリオンの前に展示されている中国の高速列車(写真右)。

中国鉄道館高速列車
 
 どこかで見たことのある車両だなと、お気づきのことかと思いますが、この車両はJR東日本の東北新幹線「はやて」を中国に技術移転したもの。その「はやて」をベースとしたCRH2C型に、”中国独自の技術”を組み合わせて設計・生産されたのが、このCRH380A型ということになっているようです。この形式の車両がすべて「和諧号」と呼ばれています。先頭に「和諧」の文字が見えますね。

 この「和諧号」なのですが、中国側は日本やドイツ・フランスから導入した車両技術を「独自開発」と主張、アメリカを始め世界各国に輸出攻勢を掛けようと画策。そして、博覧会後の2011年6月に中国側がこのCRH380A型の技術特許をアメリカで申請すると発表すると日本側や欧州側は契約違反と猛反発。それが、同年7月に高速列車の事故が発生して、中国高速鉄道の輸出の可能性もゼロとなることに。

 鉄道館に展示されている車両を見ながら、「これが、あの話題の新幹線か」と思ったものですが、まさか翌年、上記のような顛末を迎えようとは思いもしませんでしたね~。

 (3)その他の企業館

 続けて、大空家園館(宇宙の家館)、石油館と大型パビリオンが続きます。「水堀」があるパビリオンを多く見ましたが、石油缶は噴水と、涼しげです。

大空家園館 石油館
石油館の噴水

 局門路を渡って、D11エリアからD10エリアへと移動。D11エリアには国家電網館。網=ネットの直訳で、電網は中国語でインターネットのこと。そして、通りの向こう側が、造船所時代の工場の骨組みを再利用したパビリオン、思科館と日本産業館が入っています。

国家電網館 思科館と日本産業館
 
 
 実際に中に入ってみると、とても広大な空間となっています。入ってすぐの右手、階段を上ったところに売店があったので覗いてみることにしました。

(クリックすると拡大します)
 
 南面は鉄骨を残した構造となっていて、採光も充分で風通しがよくなっています。巨大なパビリオンに設けられた売店だけあって、こちらもかなりの広さ。アイテム数を豊富でした、ということでついつい万博グッズを購入。

思科館・入口 ショップ
 

 会場内では、銀行や総合案内所で両替することができます。手持ちの中国元も底を突いてきたので、こちらの交通銀行で両替。両替は1万円単位です。右の写真はITMでしょうか、砂漠の向こうに中国館が描かれたパネルが興味深かったので撮影。中国でなかなか面白いのが、コピー。直訳すると;
 「史上最大の博覧会の為に、全方位金融解決方案を提供します」

交通銀行
 

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