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万博遺跡レポート

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#54 あいち海上の森センター、オープン 06/09/27
  
 知万博閉幕1周年の9月25日、瀬戸会場跡地に「あいち海上の森センター」がオープンしました。同時に、開館記念イベントも開催、会期中に行われていた「里の自然学校」も復活とのこと、さっそく訪問してきました。瀬戸会場跡地へは閉幕後、何度も定点撮影に足を運んでいますが、中に入るのは初めてです。


 あいち、海上の森センター、オープン

 ンターの開館時間が9時、朝の渋滞に巻き込まれて到着は9時をとっくに回っていました。さぞかし混雑しているだろうとの予測ははずれ、駐車場には2台の車のみ。平日の朝からここに来るような人は、そりゃ少ないのは当然かななどと思っていると、遠くの方で手を振る人影がふたつ。なんと、万博ファンサイトのお仲間、K氏とY氏。さすがというか、やはりというか、何だかうれしくなりました。

 「森の自然学校」開始まで時間があり、私は会期中の写真を片手に定点撮影を開始。万博会期中とどのように変ったかは、下の模型をご覧になっていただくとよく分かります。瀬戸愛知県館は上層の仮設部分が撤去されて「センター本館」に改名、瀬戸日本館は撤去されて駐車場になりました。会期中は、ここから階段・エスカレーターを利用して「海上広場」へと上がれたのですが、現在は工事で閉鎖中(写真左下)。将来は大学のキャンパスの一部になると聞いています。

 階段の一番上まで上がると懐かしいものを発見。記念公園でもよく見かけたベンチ(写真右下)、会期中にグローバルループで使用されていたものです。これも「会場内で移転した万博遺跡」というわけですね。

会期中の会場模型
現在のセンターの会場模型
[瀬戸愛知県館]から[海上ひろば]へ上がる階段 グローバルループで見られたベンチ


 「里の自然学校」

 「里の自然学校」というのは、瀬戸会場で行われていたイベントのひとつ、会場に隣接する海上の森の一部を、インタープリターと散策するというものでした。6月に瀬戸会場を訪問したときは、次回に回して行かずじまい。9月に来場したときは、会期中最高入場者を記録した日、受付に駆け込んだときにはもう予約が終了していました。会期中、すべてのパビリオンは制覇したのですが、「サツキとメイの家」とこの「里の自然学校」だけは、結局行けませんでした。

 「里の自然学校」が始まる10時前には来場者の姿もちらほら。集合時間には10名近くの方が集まりました。会期中訪れたことがある人はほとんどなく、体験者はK氏とY氏だけ。このお二人に会期中との違いを教えていただきつつ、「里の自然学校」が始まりました。

 まずは入り口。会期中は海上広場からの入場でしたが、現在は海上広場が閉鎖されていることから、日本館のあったあたりから森へ入ります。会期中に利用されていた通路はご覧のように閉鎖されています(写真左上)。その前には、万博のロゴとシンボルマークの入った自然エネルギーシステム。風車と太陽電池が備わっていて、まあ、ハイブリッドタワーと同様の働きをする設備のようです。

 「窯の歴史館」から、森の中を通って「繭玉広場」へ移動。万博の写真でみるのとまったく同じですね、当然ですが。まずは、繭の形をした建物の中でワークショップ。布で作った頭部に、どんぐりの傘の帽子を被せてストラップにするというものです(写真左下)。針を持つのは久しぶり、出来上がった作品はちょっと不恰好になってしまいました。

 そしていよいよ、インタープリターさんの案内で海上の森に分け入り坂道を登っていきます。インタープリターさんからは、里山保全の重要性や植物の解説など。知らないことも多く有意義な講義でした。私など、山のふもとに育った割には、里山に対する知識があまりにもないことを痛感した次第です。

会期中の入り口
自然エネルギーシステム
繭玉広場の建物内部 繭玉広場の前


 終点は「物見の丘」、これも万博の写真でよくみました。角材を組み合わせた面格子構造とされていて、釘は一本も使用されていないとのこと。らせん状の階段を展望室まで上がります。なかなかの高さ、階段室を上から見ると、奈落の底をのぞいているような感覚、手に汗がにじんできました(写真左)。

 展望室からは瀬戸や名古屋の街が見渡せます(こちら)。会期中はきっと両会場のパビリオンを見ることができたことでしょう。そして、展望室の窓にはオオタカのイラスト(写真右)、海上の森のシンボルになっているんですね。


階段室 オオダカのイラスト


 「里の自然学校」は1時間半で終了。これで、万博会期中に見損ねていた「サツキのメイの家」と「里の自然学校」も制覇。つまり、万博の全パビリオン・施設は完全制覇ということになります。拍手。


 センター本館

 後はセンターの本館、つまり旧・瀬戸愛知県館の建物です。入り口は、愛知県館では出口だった1F部分。最初に目に付いたのは、愛知県館のシンボル的存在だった「コナラの木」。メインホールで上映されていた映像でも紹介されていましたね。「コナラの木」の下にあった休憩室の部分が撤去され、現在は屋外になっています。こんな風に変りました(こちらの一番下)、懐かしいですね。

 1F展示室を見学していると、どこからともなく、マリンバの低音域が響く、聞き覚えのあるメロディーが聞こえてきました。これは、愛知県館で上映されていた映像のBGMじゃありませんか。音のする方を探すと、一番奥に小さなモニター(写真左)、そしてお馴染みのナレーションと映像とBGM、懐かしいですね。音楽というのは、本当に記憶と密接に繋がっているもんだなと、再認識した次第です。

 K氏とY氏とセンター本館の各階を散策。2Fの情報ライブラリー(つまりは図書館、写真右)には、市販されていない万博関係の貴重な図書が収蔵されています。いくつかは初見のもの。”紙資料”収集家の私としては、こちらも是非、販売していただきたいものです。特に惹かれたのは、愛知県発行の『2005日本国際博覧会 愛知県記録誌』。機会があれば、もう一度じっくりと拝見したいですね。

1F、展示室 2F、情報ライブラリー


 海上の森センターを出る頃には、駐車場も満車状態。私にとっての、3度目の「瀬戸会場」来場、堪能しました。3人で昼食、別れた後は記念公園の定点撮影へ。こちらは次回の報告と致します。


 れで、私にとっての閉幕1周年記念イベントは終了。5日間のうち4日出動という過密日程、万博仲間とも楽しい時間を共有すし、久しぶりに万博気分に浸れることが出来ました。次の節目は、第2期モリコロパーク開園の来年3月。それまでには、このサイトを完成させたいものです。

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