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万博遺跡レポート

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#53 閉幕1周年記念〜モリコロパーク夜まつり 06/09/23 
  
 大津通ストリートフェスタの東別院・大須会場を後にし、愛・地球博記念公園へと向かいました。目的のひとつが、万博仕様にラッピングされたリニモ、もうひとつは閉幕後初めてライトアップされるという大観覧車です。


 1、万博仕様ラッピングのリニモ

 博会期中、側面に「EXPO 2005 AICHI」の文字が描かれた万博仕様のラッピング車両(写真左)が運行されていました。それが、閉幕1周年事業の一環として23・24日の両日に最終運行するという発表がありました。最後の御披露目の後にはラッピングが剥がされるとのこと。私がそのニュースを知ったのは昨日、職場の万博仲間のIさんからこの情報を聞き、撮影に行くことにしました。

 藤ヶ丘発の最終便が16時30分ということなので、ちょっと早めに途中のリニモ駅で待機。ラッピング車両のニュースをご存知の方もちらほらいて、一緒に場所取りをしました。お目当ての車両が到着、撮影してから先頭車両に乗車、フロントガラスには懐かしい「愛・地球博」とロゴとモリコロのイラストを発見。初めてリニモで万博会場へ向かったときのことを想い出しました。 


ラッピングされたリニモ車両 リニモ車両・フロントガラス



 モリコロパーク夜まつり

 幕1周年記念の行事の中でも、万博会場跡=記念公園で開催されるのが、長久手町観光交流推進会議の主催の「モリコロパーク夜まつり」。公園の開園時間は通常、夜7時までなのですが、今日は夜9時まで延長、さらにうれしいことに大観覧車が閉幕後1年ぶりにライトアップされるとのことです。これは見学に行かないわけにはいきません。一連の行事のなかでも、一番楽しみにしていたものです。


 園西駅で下車、いつもの北口と違い、今日は臨時に設置された西北口からの入場です。会期中は関係者専用、閉幕後は工事車両が頻繁に行き交う工事用のゲートとして利用されていました。西ゲート造成のために盛り土された土砂を撤去するダンプが、このゲートから延びる通路を頻繁に行き来するのを、反対側の県道田籾線からよく見かけたものです。

 初めて利用する西北口。大観覧車を、いつもと違う北側から眺めながら園内に入場。長い上り坂を行くと、眼下には公園西駅と、会期中は西エントランスだった田園地帯(写真左下)が広がっていました。いつもの定点撮影している地点が見渡せます。さらに進むと、大観覧車の南側に至ります。真横(写真右)からというのは、会期中には見ることの出来なかった角度ですね。

西側真下より
北西入口の通路から西公園駅を望む 真南から大観覧車を望む(合成写真)


 暮れまでまだ間があったので、園内を散策しました。最初に目に付いたのが、前回来園時にはなかった「モリコロパークショップ」(写真左上)。仮設店舗ながら、なかなかの賑わい。閉幕1周年記念に発売されたバッジやマグカップなどなど、モリコロ商品がところ狭しと並べられています。昼から訪れた「大津通ストリートフェスタ」のショップでは、レジ前の長い列をみて買い物をあきらめたのですが、やっとここでゆっくりと品定めすることができました。記念にバッジ1ケとカードを購入。さらに奥に行くと、円形広場(モスバーガー前)では地元有志による出店があり、多くの来園者で賑わっていました。

モリコロパークショップ 円形広場前の出店


 は、「愛知国際児童記念館」へ。会期中は、地球市民村として利用されていた施設といえばお分かりかと思います。私は開園後、初の入館、開催中の「愛・地球博のロボットたち」を覗いてみました。

 会期中、何度も足を運んでいただけに、内部の展示がどのように変ったのかを確かめながら、展示を見て回りました。三菱未来館で見た「Wakamaru」や案内ロボットのアクロイド(写真左)。多くのお子さんたちに囲まれて、人気のほどは変らないですね。ただ、多くのロボットが狭い枠の中に閉じ込められていて、ちょっと撮影し辛かったのが、残念といえば残念。

 南側の出口へ行くと、会期中に地球市民村の随所で見られた人型のパネル。そして、その後ろは会期中と、これまた変っていない、地球市民村で活躍していたNPO/NGOの紹介がありました(写真右)。こんなところでも万博の名残が見られるなんて、うれしいものです。

NPO/NGOの紹介


 念館を出る頃には、日もかなり傾いてきました。大観覧車の下の芝生広場は多くの家族連れで賑わい、会期中を想い出さずにはいられません。これだけの賑わいは、私の知る限り、開園後初めてのことではないでしょうか。それに夕暮れに染まる大観覧車も、会期中の様子を思い出させてくれます。一番違っている点は、観覧車中央部に取り付けられていた電光パネルがない、ということでしょうか。ちなみに、これは今年の4〜5月に取り外されたようです(こちら参照)。

来場者で賑わう夕暮れの大観覧車


 が落ち、大観覧車がライトアップされます。お気に入りの地球市民村で休んでいるときも、万博会場を後にするときも、いつもライトアップされた大観覧車を眺めていただけに、あのころのことを想い出さずにはいられず、胸にジーンと来るものがありました(観覧車をみて感激するなんて、以前は考えられませんでしたが)。

 会期も押し迫ってきたころ、カメラの三脚を担いでいろいろな角度から、夜の大観覧車を撮影し回っていたものです。今日も同じ角度から撮影してきました(こちら)。電光パネルがないと、会期中の光景と区別がつかないくらいです。

 ただ、撮影場所は大変な違い。地球市民村のパビリオンがあった辺りは一面芝生がひろがるばかり(写真左)。会期中の様子を思い浮かべながら大観覧車を見上げていて、ふと真っ暗な周囲を見渡すと現実に引き戻されます、万博は泡沫の幻だったんだと(これはちょっと大げさかな)。

 久しぶりに夜の大観覧車に乗ることにしました。広場にはモリコロ、撮影の順番に長い列ができています。そして、大観覧車もなんと20分待ち、まるで万博並の人気ですね。

地球市民村・跡地 モリコロ登場


 会期中の「宝石を散りばめたような光景」とは打って変った真っ暗な会場跡地を眺めながら1周15分の遊覧。この1年を振り返りながらも、シャッターを押し続けました。



 「夜のモリコロパーク」を堪能し、来た道を戻りながら、そして1年前と同じくライトアップした大観覧車を下から眺めながら公園を後にしました。でも、このまま帰るのももったいないなと思い、大観覧車を眺めながら西ターミナルがあった田園地帯や田籾線沿いを散策しました。右の写真は、西ターミナル跡地から大観覧車を撮影したもの。手前に光るものは何だと思われえますか? 答えは、畑に敷かれた栽培用の黒いビニール。

 辺り一面、漆黒の暗闇の中、大観覧車だだけが光っているいるのを眺めながら、会期中のことやら、1年ぶりの夜の「会場」を楽しんだ今日1日のことなどが、交互に思い浮かんできました。

西側・真下より 西ターミナル跡地より

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