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万博遺跡レポート

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#46 愛・地球博記念公園、開園 06/07/15 

 今日は、万博ファンが待ちに待った「愛・地球博記念公園」のオープン。万博が閉幕して9ヶ月間、旧・長久手会場の周辺を毎週散策しては、中の様子を観察していたのですが、今日は初めて中へ足を踏み入れることができる日となりました。

 記念公園に到着したのが夕方5時。開門時はかなり混雑していたとのニュースを聞いていましたが、リニモの車両も北駐車場もかなり空いていました。ただ、藤ヶ丘行きのホームは、帰途に着く家族連れで混雑していて、多くの人出があったことが想像できました。


 1、記念公園の新しい顔

 公園の正門はいつもリニモから見ていたのでおおよその様子はわかっていましたが、中に入れるというのはまた格別のもの。正面には名称の入った門扉、そしてその奥、ロータリーには先日までブルーシートで覆われていたモニュメントが。

 モニュメントの正体は、「愛・地球博記念公園」の文字が入った石碑でした。てっきり、モリコロだと思っていましたが。でも、日本庭園風のロータリーとマッチしていて、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。裏書をみると
   平成十八年七月吉日 愛知県知事 神田真秋
 の文字がありました。

正門 石碑


 記念公園の新しい顔となる案内図や案内表示。色は万博色の緑が基調ですが、形態は万博時と大きく違っています。万博の面影が一掃されて、県立の新公園になったことを再認識させられます。

 そして、リニモからいつも目にしていた二つの新しい建造物。こちらの正体は「総合案内所」とトイレでした。総合案内所はもう窓口が閉まっていましたが、そこで記念公園の案内図を入手。”紙資料”収集に力を入れている私にとっては、新しいコレクションのひとつとなりました。記念公園の開園と合わせてこの案内所で、新しいピンバッジが発売されたとのことですが、即日完売との表示が見受けられました。ピンバッジ・ファンにとっても、うれしい記念公園開園ですね。

 トイレはモスグリーンの屋根。旧「ときめき愛ランド」にある、同形のトイレの屋根は赤。集合場所として利用できるよう、わざと目立つ色を採用したとのことです。

案内図
 
案内表示
 
総合案内所 トイレ

 
 2、万博会期中と変らないもの

 公園入り口から、旧「遊びと参加ゾーン」へと向かいます。右手、企業ゾーンのあった辺りは駐車場に、左手はグローバルハウス以外は表土が露になった広大な土地が広がっていて、華やかな万博のときの面影はまったくありません。写真右は、「遊びと参加ゾーン」の入り口、キッコロのイルミネーションがあった地点ですね。雨が降ったせいか、すれ違う人もあまり見かけません。会期中の同所の混雑振りを見てきた私には、ちょっと寂しい開園日です。

入り口から西を望む イルミネーションがあった通路


 万博会期中と変っていないのが、大観覧車と「風の広場・水の広場」。地球市民村のあった辺りは芝生広場になり、大観覧車がポツンと立っているだけ。大阪万博で、太陽の塔が芝生広場の真ん中にポツンと建っているいる情景を思い出してしまいました。

 いつも会場周辺から見渡していた「風の広場・水の広場」。こちらも、まったく変りがありません。ただ、時間が遅かったのと天気が悪かったこともあり、こちらも閑散とした様子。次回は暑い日に訪れて、お子さんたちが水の中ではしゃいでいる姿をみてみたいものです。

大観覧車  風の広場・水の広場

 
 3、万博閉幕後も残されたもの
  
 記念公園のもうひとつの楽しみは、旧会場内の整備工事の様子を間近に見ることができること。会場外から遠目でみていた建造物がはっきりと確認できます。

 日本広場にあった、日本の塔「月」(写真左上)。左側が「こいの池」、その向こう側にグローバルループがあったんですね。右側には、愛知県館と日本広場をつなげていたが見えます。
 
 旧・西ゲート付近やリニモからいつも見ていた、コモン6の円形レストラン(写真右上)。万博会期中に見られた建造物がほとんど撤去された中、慣れ親しんだ建物がこのように完全に残っているというは、なんともうれしいものです。しかし、周辺は何も残っていません。

 写真左下は、旧・西エントランスから最近確認できるようになった建造物。やはり、「中部千年共生村」だったんですね。向こう側は、かえで池になります。日本庭園まで入れるようになりましたので、かえで池の反対側からも見ることができるんではないかと思います。

 そして、モリコロをかたどった樹木。千年の森の前にあったものが移されたものといいます。千年の森はいつも定点撮影で訪れていて、このモリコロも遠目で見ていました。突然を消したので、てっきり枯れてしまったものと思っていたんですが、こちらに引越ししていたんですね。

月の塔 コモン6のレストラン
中部千年共生村 「千年の森」にいたモリコロ

 
 閉演の7時までの2時間、北駐車場から大観覧車辺りまで、会期中の様子を思い浮かべながら散策。あまり姿が変っていないエリアあれば、万博の面影なんて見る影もないエリアまで、変遷の様子は様々。でも、久しぶりに懐かしい場所を歩けたことをうれしく思いました。

 今日は下見で、明日も朝から訪問しようと計画していましたが、中止。じっくり作戦を練り直して、晴れた日にまた撮影に来ることにしました。会期中と現在の写真の対比、そして公園内からの定点観察。会場跡地の外からの整備もひと段落したので、これからは公園内の定点撮影に力を入れていきたいと思います。
 
 会期中の写真や”紙資料”も未整理の上、記念公園内の撮影。私の万博はまだまだ終わらないようです(バンド仲間からは、「万博なんて、とっくに終わっとるがね」と突っ込まれましたが)。

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