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万博遺跡レポート

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 #94 思い出いちばん展 09/03/11

 1、瀬戸万博記念公園

 オープンまであと9日と迫った瀬戸万博公園「愛・パーク」の様子をちょっと覗いてきました。整備はほぼ終了した模様。今日も続く整備工事は、公園北端は植樹(写真左)と、南端の道路を残すだけとなっています。

北側から 南側から

 周囲を歩いていると、瀬戸万博記念公園の新しい案内図を発見。一足お先に、公園の配置図を確認してみましょう。

 天水皿前の広場は「地球市民広場」と命名されたようです。北側には駐車場が設けられていますが、あまり多くは駐車できないようですね。天水皿の定点撮影はこちら。広場には芝生が張られるんでしょうか。

 南側上段と北側下段を結ぶ傾斜面には「いろは坂」のような通路が設けられ、「つばき園」となるようです。既に植樹が終わっていますが、この傾斜面が椿の花で埋もれる光景を早く見たいものです。「つばき園」の西側には、モリコロのイラストのある遊具、そして北側は芝生広場となっているようです。

 さて、3月20日、いよいよ「愛・パーク」のオープンです。10時からのオープニングセレモニーを始め、旧・海上広場でのコンサートやイベントが行われる予定(詳細はこちら)。さらに、「愛・パーク」(瀬戸市)・会場広場(愛知工業大学)・あいち海上の森センター(愛知県)の各エリアが結ばれ、開放されます。旧・瀬戸会場のほとんどを占めるこれらのエリアが開放されるのは、閉幕後初のこと。愛・地球博記念公園に隠れてちょっと淋しかった旧・瀬戸会場も、この日だけは会期中を思わせるような賑わいが戻ってくることを、期待したいところです。

(クリックすると拡大します) リニモ駅で


 2、リニモ周辺

 愛・地球博記念公園へと移動します。まずは、リニモ高架下から、[企業パビリオンゾーンB]を観察。このエリアを見渡すと、土木工事は終了。水道塔の下辺り(写真左)や、リニモ駅へ通じる北側通路(写真右)もきれいに整備されています。

 このエリアは、サッカー場が出来る予定。完成図(下図)を見ると、芝生が貼られた立派にサッカー場になるようですね。現在は、表土があらわになっているこの殺風景な光景も、完成時には緑に覆われた競技場へと変っていることでしょう。



 3、市民交流センター

 愛・地球博記念公園のメイン施設となる「地球市民交流センター」の工事がいよいよ開始されました。リニモ駅から眺めると、予定地に足場が組まれているのが見えます(写真左)。公園内に入り、防音壁の小窓から中を覗いたのが写真右。

 センターは半地下構造で、屋上緑化された大屋根で覆われる予定。この一ヶ月の間に、既にセンター予定地の一角が深く掘り下げられています。


 完成予想図がこちら、赤線で囲まれた部分が「地球市民交流センター本体」。そして右隣の白いドームが「体育館」。完成は2010年の秋といいますから、ちょうど1年半後ってことになりますね。愛知県のパンフレット(政策指針プロジェクトマップ)に、当施設の概要が紹介されていたので、ここに記しておくことにします。


施設の特徴
 ・市民参加・交流活動、公園利用の拠点
  (体験学習施設、多目的室、屋内広場など)
 ・様々な環境技術の導入
  (屋上緑化、壁面緑化、太陽光発電、ドライミストなど)
 ・発災時における中核広域防災活動拠点(救援活動拠点)


 4、フレンドシップひろば

 こちらもきれいに整備されて、土木工事はほぼ終了といったところです。南側下段から、こちらも「いろは坂」のように蛇行を繰り返しながら上段のEV棟東側まで登ってくる散策路が設けられ、所々に植樹がされているのがわかります。種子が含まれた土でしょうか、表面に噴霧する工事がちょうど行われているところでした。


 毎回、西側から全景を見回した画像ばかりですので、今日は東側からフレンドシップ広場の様子を見てみることにしました。

 写真上は、大芝生広場=[コモン1]からの撮影。こちら側は、表土の噴霧(?)工事が既に終了しているようです。こちらも、夏には緑で覆われた光景へと変わっているのでしょうか。ちなみに、会期中の画像は、こちらでしょうか。この真ん前に、グローバルループが通っていたんですね。

 写真下は、コスモス畑=[コモン2]からの撮影。上の写真よりも、全体をよく見渡すことができますね。大芝生広場は、現在整備中で機械により短く刈り揃えているところ。そして、こちらの会期中の画像は、強いて言えばこちらが近いでしょうか。会期中はレストランやFMラヴァースなど、多くの施設がひしめいていたエリアですが、現在は本当にサッパリとしたものです。


 5、[コモン1]

 大芝生広場より東方向を眺めると、現在も未整備エリアである[コモン1]に、新しい盛り土がされているのを発見。昨年6月の画像と比較してみてください(こちらの右列、3〜5段目)。このエリアでも、いよいよ工事が始まるのでしょうか。

 来年秋の、愛・地球博記念公園完成に向けて、未だに工事が着工されていないのは、この[コモン1]と[コモン2]を残すだけとなっています。このエリアにおける定点撮影も、そろそろ開始した方がよさそうですね。



 6、あいちアートスクエア、南駐車場

 4月1日にオープン予定の「あいちアートスクエア」(写真左)と「南駐車場」(写真右)。こちらも整備はほとんど完了しているようです。残すは、一部の通路の整備工事のみ。ちなみに、南駐車場の奥の野球場は、7月のオープンとのこと。

 南駐車場は、会期中でいうとコモン4の北側部分。その一部ではありますが、会期中との様子を比較対照した定点撮影が、ここでもできそうですね。



 7、「思い出いちばん展」

 すべての定点撮影を終えて、今日の目的のひとつである「思い出いちばん展」の会場、記念館へと向かいました。途中、「花の広場」の花桃の一部が開花しているのが、目に飛び込んできました(写真左)。カメラ片手に撮影されている方もちらほら。満開時には、さぞや壮観でしょう。その時には、会期中のコモン6と比較した定点撮影を行いたいと考えているんですが、なかなか準備が・・・。

 そして、いよいよ「思い出いちばん展」へ(写真右)。

 当企画は、万博ファンが所有する、思い出の一品を一般公募し展示するというもの。そして、来場者の投票により「思い出いちばん大賞」を決定するとのことです。部門は「写真」「メモリアルグッズ」「手作り品」の3つ。それぞれの作品に、出展者の思い出が簡単に記されていて、ひとつひとつ解説を読みながら、作品を拝見しました。すべてが、「懐かしい」の一言。写真やメモリアルグッズを眺めていると、会期中のことが思い起こされます。同時に、私や多くの万博仲間の万博に対する想いとまったく変わらぬ、熱いものが伝わってきました。

 ちなみに、私自身が気に入り投票した作品は。

 写真部門では、モリコロのイラスト入りの傘越しに、雨のグローバルループを撮影したもの。こういう構図、好きですね〜。いろいろと勉強になります。

 メモリアルグッズ部門では、お茶の缶。現在は豊田市に合併された「藤岡町」の名称入り。会期中当時は、誰でも簡単に入手できるけれど、ほとんどの人が見向きもせず、廃棄してしまう。そのようなものの中にこそ、資料性が高く貴重なものがあるのでなないかと思っています。(あまり高価な万博グッズを購入しなかった)私としては、共感すること大です。

 そして、手作り品部門。皆さん、凝っていますね〜。一番感心したのが、エジプト館で展示されていた象形文字を模した刺繍。芸術的センスに乏しい私としては、当作品に敬意を表して一票。


 最後は、企業パビリオン特別展示。パビリオンの模型はほとんどが初見のもの。撮影できないのが残念です。そして、会期中の映像。中でも食い入るように見入ったのが、ワンダーサーカス電力館の映像。先日、当館で展示されていた「起し太鼓レプリカ」を、飛騨古川で見てきたばかりですので、ついつい気になってしまいました。

 当館に入場したのは開幕間もない頃。待ち時間もなく、ひとりでライドに乗ることができました。入館はこの時の1回のみ。今日のDVD映像を見ていると、その時のことが思い出されます。いつも思うことですが、BGMはそのとき1回しか聞いていないのに、鮮明に覚えているから不思議です。音楽と記憶が密接に結びついているんですね〜。ただ、「起し太鼓レプリカ」が映像に写っていなかったのが残念といえば残念。

 
 「思い出いちばん展」を見終わって、閉幕後3年半が経とうとしている愛知万博の記憶がまざまざとよみがえってきたような、なんとも言えない懐かしさを覚えました。なぜ、私や多くの万博ファンが、ここまで万博に魅せられるのか、再認識させられるような展示でした。

 そして、20日は瀬戸万博記念公園「愛・パーク」のオープン。21・22日は、愛・地球博開幕4周年記念イベント「春まつり」。万博ファンにとっては、久しぶりに忙しい連休となりそうですね。私も存分に万博気分を味わってきたいと思っています。

 

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