万博を歩こう・TOP > 万博遺跡レポート > 3-85

万博遺跡レポート 

 ←前へ 次へ→ 


 #85 「瀬戸万博記念公園」、工事開始 08/08/10

 1、「瀬戸万博記念公園」

 
07年2月、瀬戸会場跡地の天水皿広場に、「瀬戸万博記念公園」(仮称)がオープンすることが瀬戸市より発表されました。それ以降何度もこの前を通ってはいたのですが、工事が始まる気配はまったくなし。今年の5月に海上の森へ行った際も同様、天水皿広場に変化はみられませんでした。

 08年7月、瀬戸市が当公園の愛称を募集開始、同時に公園の予想図(写真左)が発表されました(注:方位は作者による)。これを機に、今回久々に天水皿広場に行ってみると、既に工事が開始されていました。それもかなりの進み具合。本日の天水皿広場の現況を、完成予想図と見比べながらみていくことにしましょう。

予想図 工事案内


 万博閉幕後、天水皿広場西側の道路から天水皿の様子を定点撮影してきました(こちら)。いつもの撮影地点である、工事用ゲートの手前から撮影したのが、写真左。同区域の完成予想図が写真右になります。

 開園時には、天水皿の前に展望用のミニ「グローバルデッキ」が、その下の空間には万博関係の資料室が設けられる予定です。手前には芝生広場が広がり、ここでイベントが開催されるそうです。
 
東側から 同方向の予想図

 同地点から道路に沿って北へ進み、公園側を眺めたのが写真左。会期中、天水皿広場がある上段と、ため池がある北側の下段とに大きな段差が見られましたが、予想図を見るとその地形を利用し、天水皿から北へ向かって緩やかな傾斜が設けられるようです。今日の様子を見てみると、上段の北側が、かなり削られて、既に傾斜面に造成されているのがわかります。斜面の下段や通路は、コモン1の入り口付近を思い起こしてくれそうな光景ですね。

斜面、東側から。 同方向の予想図

 道路からでは、工事中の斜面が木に隠れてしまっていて、なかなか中の様子が分からないので、ため池の北まで降りてみました。その様子が写真下。曇っていて残念でしたが、天水皿や花壇となる斜面が池に映え、なかなかの光景。城郭ファンの目から見ると、まるで内堀に映える土塁と櫓のようではありませんか。完成時が楽しみです。

(クリックすると拡大します)

 次に、天水皿の西側の道路へ移動。この前にあるバス停の名称が、「海上の森センター西」から「万博大皿前」に変更されていました。新しい公園の開園後は、またまた名称が変更されるかもしれませんね。


 広場西側でも、いろいろな方向から撮影してみました。天水皿の北側、下段から南方向を眺めたのが写真左。段差のあった辺りが大きく掘削されて、表土があらわになっています。天水皿の北側から眺めたのが、写真右。公園の南端に当たります。会期中はこの上にバスの連絡通路があった箇所ですね。
 

 閉幕3年余りを経て、ようやく工事が始まった天水皿広場、万博開幕4周年の頃にやっとオープン。またひとつ、新しい”万博遺跡”が加わることになるんですね。(定点撮影と開園の)楽しみがまた増えました。ところで、未だに閉鎖されている、愛工大所有の「海上広場」や市民パビリオン跡地はどうなっていくんでしょうか。こちらも気になるところです。


 2、イデアのひろば

 先月報告したように、北口付近の工事がいよいよ開始されました。新しく設置されている工事案内板には、「イデアのひろば1次造成工 平成21年2月27まで」との表記がみられます。

 先月(写真左)と比較してみると、フェンス沿いに並んで植えられていた樹木が取り除かれていますね。今日は日曜日なので工事は行われていませんでしたが、平日に同所を見てきた、万博仲間のK氏によると、同区域内で測量が行われていたとか。写真下のような風景が今後、どのように変わっていくのか、瀬戸の公園と同様、また新しい楽しみが増えました。

08/07/13 本日


 3、サイクリングロード

 北口南のEV棟から西口へ通じる区間において、サイクリングロード(CR)の舗装が完了したようです。写真左は、EV棟から西方向を、写真右は、記念館前から西方向を眺めたもの。


 ここ最近、重点的に整備が行われている「風のエリア」モニュメント前へ移動。いつものように横から眺めると、両脇の傾斜面の整地が完了したのが確認できました(写真左)。モニュメント下の階段を上がり、いつものように南方向の定点撮影にかかります(こちら)

 遠くに[コモン3]=多目的広場が望めるこの「展望台」の真ん前に、今年になってCRの橋脚が造成されました。CRの橋脚が近すぎて画像に納まりきらないので、さらに離れて撮影するため、モニュメントのネットをよじ登りさらに上まで登ってみました。ちなみに、その時、モニュメントの最上部を眺めたのが写真右。


 モニュメントの上から撮影した3枚の画像を合成して、パノラマ写真を作成しました。左方向から延びるCRが目の前でヘアピンカーブを描きながら、西口方向へと下っているのがよく分かります。このCRの大掛かりな工事で、モニュメントからの光景も、昨年までとはすっかり変わってしまいましたね。



 4、西口

 CRと関連して行われていた西口付近の整備工事も、同時に終了。記念公園の西側の新しい顔も、これで完成です(写真下)。下段は植樹され、上段は芝が張られているよう、まだまだ中途半端な状態ですが、時間の経過と共に、緑に包まれた「公園の顔」となることでしょう。


 それにしても気になるのが、中央付近のブロック面。あまり美しい姿とはいえなくもないような・・・。この辺りがどうなっているのか確認するため、久しぶりに、西ターミナルがあったこの区域に入ってみることにしました。

 ブロック面辺りの様子は、写真左のようです。公園内から流れる2本の用水が北へと流れています。用水の水源は「こいの池」、それとも「ほてい池」なんでしょうか?

 ブロック面の左側(北側)が、さきほど紹介したCRヘアピンカーブの真下に当たります(写真右)。植樹されたばかりで、まだまだ小さい苗が一面に植えられています。



 万博閉幕後、初めてこの[西ターミナル]に足を踏み入れたのが、06年10月。[コモン3]は、まだまだ会期中の地形が残されたままでした(写真左)。隅に見える階段は、会期中、フランス館の前にあったこの階段です。

 今日の様子は写真右。写真中央付近に、西口がみえますね。緑に、というか田んぼに囲まれた、会期中とは打って変わって、のどかな風景になっています。

06/10/18 本日

 視線を北方向へ。右に大観覧車、はるか向こうにはリニモ西ゲート駅だけが、会期中と変わらない姿をわずかながら残しています。そして、目の前に広がる水田には3年前、バスが連なる西ターミナルがあったんですね。記念公園外ということもありますが、この[西ターミナル]=農地が、会期中と会期後の落差の一番大きなところだといえそうですね。


前へ 次へ→