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万博遺跡レポート 

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 #79 コモン3の尖塔・その2 08/04/13 

 前回は新しいオープンエリアを一通り見て回っただけでしたが、今日は ”2次オープン”後、初めての定点撮影です。それでは、今日のテーマ「コモン3の尖塔」の報告に続き、記念公園の様子を順に見ていくことにします。


 1、コモン3の尖塔

 コモン3のシンボルと言えば、欧州&地中海諸国のパビリオンを取り囲むようにそびえていた9本の尖塔。一部の万博ファンの間では「ねぎ坊主」とか「つくし頭」とか呼ばれて親しまれていました。今日のテーマは、39(06/05/29)に続いて「コモン3の尖塔」です。

 (1)会期中

 コモン3は、広場を中心にパビリオンが配置され、さらにその外周に9基の尖塔が配置されていました。9基の尖塔を、北東隅から時計回りに@〜Hと番号を付し(下図参照)、まずはこれらの会期中の様子を順に見ていくことにしましょう。

(クリックすると拡大します)

 @は、リビア館の前の尖塔(写真左)。「幸福のかたち」の「ザ・ツリー・オブ・ア・パブリック・ガーデン」の黄色いピクトグラムが展示されていましたので、すぐお分かりかと思います。
 Aは、「えびせんべいの里」の前にあり、万博のロゴマーク入りの青いプレートが取り付けられていました(写真右)。よく見ると、塔の下にベンチが取り付けられていますね。この尖塔だけは、例外的にコモン3の外側に配置されていました。

塔@ 塔A

 Bはモロッコ館の北側、Cはその奥で、広場の内側に位置していました。
 D〜Fは、コモン3の西側。それぞれ、トルコ館スペイン館フランス館の西側(裏側)です。
 G〜Hは、コモン3に北側。Gはフランス館の裏(写真上)、Hはドイツ館の裏(写真下)に当たります。

塔G(右側) 塔G(右側)
塔H(左側) 塔H(手前)


 (2)会期後

 それでは会期後の変遷を、コモン3の北側(散策の森)から撮影した写真をもとに見ていくことにしましょう。

 Aは、万博閉幕日(05/09/25)の撮影です。東側(左側)に@Aが、北側(手前)にGHが確認できますね。会期後に変化があったのは、この内のAとGHですので、この位置をよく覚えておいてくださいね。
 Bは、記念公園の開園後(06/10/18)の撮影です。尖塔の先端部が取り外され、照明灯が取り付けられているのがわかります。GHだけは照明灯が取り付けられていなくて、当時、とても不思議に思ったものです。
 ここで問題なのはA。写真を比較するとやや左方向に移動しているのがわかります。まったく気が付きませんでしたが、どうも開園前に移動されたようです。
 Cは、翌月(06/11/12)の撮影です。コモン3のあった高台の北側が削られ、GHが撤去されています。照明灯が取り付けられていなかったのは、当初より撤去される予定だったからなんですね。
 そして、Dが今日の撮影。尖塔(照明塔)の位置・数はCと変化がありません。

 会期後の変遷をまとめると、Aが移動し、GHが撤去されたということになります。それでは、これらを中心に、今日の照明塔を近くから観察してみます。


 (3)本日の状況

 西口から階段を通って高台に上がると、最初に目に入る照明塔(写真左)が@。そしてグローバルループの入り口付近から後方を振り返ったときに、GLの旧・軌道上にみえるのがAです。Aにはベンチが取り付けられたままであることは、前回報告した通りですが、ちょっと形態が変わったようですね。

左が@、右がA 左がB、右がA

 会期中の様子と比較したのがGL1多目的広場2の定点撮影。前者の1・7段目からは、Aの移動していることが、後者の1〜3段目からは、A〜Cの位置に変化がないことが確認できます。
 そして、後者の5段目が多目的広場[コモン3]の北西隅から西側を撮影したもの。会期中における撮影地点は削られてもうありませんので、本日の撮影地点はそれに近い位置ということになります。会期中にGHが見られた地点も、ご覧のようです。

 今回は準備不足のため、他の尖塔の定点撮影はできませんでしたが、GLや多目的広場の他地点での定点撮影を次回も続けていこうと思っています。


 2、グローバルループ

 グローバルループの定点撮影を紹介したので、ついでにここでGLのお話をば。閉幕後に残されたGLは会期日数にちなみ185m、区間はコモン3からコモン4までとされています。しかし、実際に現在のGLを歩いていても、GL両端における会期中の様子が思い浮かんでこないので、ここで再確認。

 写真上は、会期中にGLを南側(ゴンドラ)から撮影した写真です。左端にコモン4の円形サインが、右端に白い外壁のモロッコ館が見えます。残された区間はちょうどこの間となります。GLの南端(奥)部分の会期中の写真を拡大すると左下、北端(入り口)は写真右のようです。赤い線・矢印が現在のGLの両端の位置を示しています。1章で紹介した定点撮影でもそのことがよくわかります。

残されたGLの会期中の様子
南端 北端

 現在の南端の様子は、コモン4の6段目の、北端の様子はGL1の6段目の写真をご覧ください。


 3、西エントランス広場

 いつもの定点撮影場所に戻ります。

 昨年末から工事が続いていた西エントランス広場も完成(写真左上)、長い間進入禁止だったこのエリアにも休憩したり記念撮影する人の姿が早くも見えます。当広場のシンボルとなった、日本の塔「月」。からくり人形が登場する時間になると多くの人たちが集まってきました(写真右上)。

 「月」やモリコロ植樹と並び人気なのが、噴水。時間によって様々な動きを見せ、立ち止まって見入っている人もちらほら。もっと暑くなると、お子さんたちで賑わうことと思います。また、新しく設置された休憩所、屋根にはツタが絡まるようになっていますが、まだまだ若木。木陰ができるまではちょっと掛かりそうですね。



 4、西駐車場(北側)

 第二期オープンとともに西駐車場の南半分は供給開始、北半分は舗装もされず立ち入り禁止、西エントランス広場の工事中は、工事関係者の休憩所、兼、工事車両の駐車場として利用されていました。西エントランス広場の完成に伴い、この北半分も駐車場整備が始まりました。


 5、サイクリングロード

 そして現在、一番大掛かりな工事が執り行われているのは、毎回報告しているサイクリング・ロード(以下、CRと略)。西駐車場の西側から眺めたのが下の写真。左の写真を見ると、向こう側にCR用の橋脚が見えます。さらに目を右に向けると、ノリ面がほぼ整備終了したことがわかります。この辺りは、毎月見るたびに大きく変わっていますね。


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