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万博遺跡レポート

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#71 海上広場 07/10/28
 
 閉幕以降2年余り、ずっと閉鎖されていた旧瀬戸会場の「海上広場」が今日、初めて一般に開放されることになりました。開幕直後の4・5月、海上広場のステージで、NPO法人「『とき』を祝うメモリー」により、誕生日・結婚記念日を迎えた方を共に祝福するというイベントが催されていました(こちら参照)。今日は、同団体によるイベントの復活というわけです。

 なお、海上広場は隣接する愛知工業大学の敷地。今回は、同団体が1年間に渡る交渉の末、よくやく使用が許可されるに至ったそうです。昨日は雨天中止のため、実質的には本日1日限り。これは海上広場に足を踏み入れることができる滅多にないチャンス。定点撮影の絶好の機会を逃すわけにはいきません。ということで、朝から出動です。

 それでは、現在の[瀬戸会場]を東から順に見ていくことにしましょう。
 

 1、あいち海上の森センター [瀬戸愛知県館]

 閉幕後も残された数少ない万博の建造物のひとつが、旧・瀬戸愛知県館のあいち海上の森センター。閉幕1周年に当たる昨年の9月にオープン(写真左上)。その対面にあった瀬戸日本館の跡地は駐車場となり(写真右上)、同時期に開放された海上の森は、会期中と同様、散策が楽しめるようになりました。

 センターから[海上広場」へ通じる階段を登りきると、普段はそこで行き止まり(写真左下)。今日はセンターの奥から[海上広場]へ通じる臨時の出入り口が設けられてありました。最上階(写真右下)から眺めると、フェンスが目の前に見えます。これより先が、愛工大の敷地となります。



 2.境界線

 境界線に当たるフェンスを越えると、臨時の通路が設けられています。が、通過する度に服や靴に「引っ付虫(草木の種子)」がびっしり。フェンスを上から見ると写真右上・下のようです。



 この地点は会期中、どんな様子だったのか、ちょっと復習をしてみましょう。会期中は、愛知県館の最上階にある入り口と野外劇場が接続していました。会期中と閉幕後の定点撮影はこちらこちら。現在は、愛知県館の最上階が取り払われ、野外劇場との接続部分に当たる回廊も撤去されています。その回廊のあったのが、このフェンスのある辺りなんです。全景の6段目・Fをご覧いただくと、よく分かるんではないかと思います。


 3、野外劇場

 草が生い茂る臨時通路を抜けると、そこが懐かしい野外劇場となります(写真左)。定点撮影はこちら、背景の瀬戸日本館や海上広場のテントがなければ、会期中の様子とほとんど変わりません。


 13時より、ここ野外劇場で主催者によるイベント「お祝い会」が催されました。当月が誕生日、結婚記念日、および70歳以上の来場者がステージに呼ばれ、参加者全員から祝福を受けました。司会者さんのインタビュー、そしてオカリナやバイオリンの演奏会へと続きます。

 当月生まれの私もステージの上で祝福を受け、ずっと演奏者の間近でコンサートを聞くことになりました。よって、イベントの全体像を撮影した画像はありません。なお、いつも万博イベントでお会いする「愛・地球博 その後」さんに、本日のイベントが紹介がされていますので、ご覧になってみてください(私もこっそりと写っています)。


 4.海上広場

 野外ステージより西方を眺めると、広場の階段以外、万博関連施設は何も残っていません(こちら)。森のレストラン「Na 菜 Na」跡地は、今日は駐車場。その奥に、「里の自然学校」と呼ばれていた、海上の森散策コースの入り口があります。


 階段を登りきった地点から、海上広場を見渡すと写真のようです(クリックすると拡大します)。写真の左端(西端)に見えるのが、陶壁の一部。


 先ほど、万博関連施設は何も残っていないと記しましたが、2つの作品が瀬戸会場跡地には残されています。そのひとつが、5枚の陶壁。「天・地・水・明」をテーマとした作品が、現在も会期中のまま残されています。会期中は(と言っても、瀬戸会場は2回しかいっていませんが)そんなに気にも留めていなかったのに、このように再会するとやはりうれしいものです。



 5、天水皿

 もう一つ残されている作品が、天水皿(n乗)。

 写真左は、市民パビリオン跡地から西方を眺めた様子、会期中はこちらの画像に近いでしょうか。ちなみに、天水皿nの手前の地点が、閉幕直後から定点撮影をしていたところになります。道路からこちらの市民パビリオンを眺めた画像がこちら、道路から反対方向の天水皿nを田なめた画像がこちらになります。

 天水皿n前の広場は、閉幕1周年のイベントの際、一度だけ開放されたことがありますが、あとは定点撮影の画像にあるように、放置されたままになっています。写真右上は、モニュメントを後ろから眺めたものです。その前に、いつの間にか、瀬戸市コミュニティバスのバス停ができていました。

 なお、今年2月の報道によりますと、09年3月、ここに「瀬戸万博記念公園」(仮称)がオープンする予定とのことです。天水皿nの前に、グローバルループ状の、延長100メートルの回廊型展望デッキを設けられるとか。08年度に着工といいますが、一部では反対があったとのニュースもあり、どうなっていくのか見守っていきたいものです。


 さて、瀬戸ゲートのあった区画は現在もサラ地のままです(写真右下)。住宅地になるとか聞いていましたが、どうも随分と先のことになりそうです。

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