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万博遺跡レポート
#36 新緑の砂防公園 06/05/08 新緑の砂防公園 いつも県道田籾線沿いの砂防公園に車を停め、砂防公園を基点に公園西口や西ゲートのあった辺りを巡ります。今日は朝から汗ばむ陽気、天気予報では真夏日になるんではないかと報じられていました。閉幕後の定点撮影は、寒風の吹きすさぶ中歩き回ったという印象が残っていますが、今日は汗を拭き拭きの散策です。会期中、同じ道を暑い中、いつも会場へ通っていたのがついつい思い起こされました。 砂防公園も毎週訪問。桜が散ってからというもの、新緑が日を増すごとに鮮やかになってきます。公園内を流れる川の水量も増え、公園内を歩いていると、せせらぎが。足元を見ると、いつのもにか、もう一面緑の絨毯。季節も巡り巡ってもう新緑の季節ですね、そういえば、新公園の開園日が2ヶ月後の7月15日と発表されました。また、汗を流しながら公園内を散策するのが待ち遠しいですね。
新緑のなか、会場周辺を散策していて気持ちがいいものです。ただ、遺跡巡りをするには、ちょっと問題がでてきます。こちらの写真を見ると一目瞭然、木々が茂ってくるとそれが邪魔になって肝心の「遺跡」が隠れてしまうんですね。城郭巡りをしていると痛感するのですが、夏は遺跡巡りには適していないですね。 西エントランス 今日は西エントランス以外に変化がありません。ということで、西エントランスの現況報告。 前回は階段が撤去されていました。今日は、回廊の一部がクレーンで取り外され、その脇に置かれていました。ひっくり返っている正方形のものがそうです。西エントランスの向こうにもクレーンが二基、みえます。残された最後の巨大施設、当分は目が離せません(というより、もう他に見るものがないです)。 定点撮影の面白さ 万博閉幕後の7ヶ月半、ほぼ毎週、万博会場跡地を訪問、多くの施設が撤去されるのをみてきました。一部のマスコミでは、「巨額の税金を投入して、わずか半年で取り壊すとは、なんという税金の無駄使いであろうか」という批判がありました。その是非は、財政専門の研究者やジャーナリストにお任せするとして、このような取り壊しの光景を身近にみることができたのは、幸運だったと思っています。 毎日みているさり気得ない街の光景。それがいつの間にか、古い建物がなくなっていたり、新しい道路ができていたり。恐らく、50年前、100年前とは比較できないほどのスピードで、街の顔が変化しているんではないかと思います。名古屋の街を27年間見てきましたが、その変化の早さには驚くばかりです。そして、万博会場はそんな街の縮図ではないかと感じます。 図書館の郷土資料コーナーには、『100年まえの○○市』という写真集が必ず置かれています。街や道の様子を記録しようと意図して撮影したものもありますが、中には家族を撮影した写真の背景にたまたま写っていたというケースも見受けられます。 偶然撮影された街の光景の隣のページには、今日の同地点の写真が並べてあり、100年間の街の変化を垣間見ることができます。これが定点撮影の醍醐味・面白さですね。比較すれば変化は一目瞭然、詳細な説明はもう不要です。街の100年前の風景に関心なんてない人には、なんの価値もないかもしれませんが、歴史に興味がある私にとっては、自分のふるさとや現在住んでいる街の古写真をみると、その写真を撮影してくれた先人に感謝せずにはいられません。 もうひとつ。会場取り壊しの様子を毎週みているうちに、「工事現場」オタクになってしまいました。近所の工場が取り壊される様子を、自宅のマンションから定点撮影したり、建設中の「名古屋摩天楼」を定点撮影したり(写真下)。定点撮影を始めたのは、削られて小さくなっていくふるさとの山を撮影するようになった20年前からです。定点撮影は、街の光景の変遷を記録するには最上の手法ではないかと思います。 と言いつつ、名古屋の街の工事現場をカメラを持って通いそうな自分が、ついつい想像されてしまいます。会社の近くではモード学園のスパイラルタワーが建設中だし、中小企業センターが取り壊され立て替えられるという話だし、どうもそんな話を聞くと血が騒いでしまいます。野次馬根性丸出しの性格も困ったものです。
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