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愛知万博訪問記

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 #6 瀬戸会場 05/06/22

 今日は水曜の定休日、朝から万博へ行ってきました。ちょっと出遅れてしまい、会場に到着したのは開場10分前、相変わらずの荷物検査で入場したのが9時20分過ぎ。一番で企業館へ行ったのですが、トヨタ館はすでに4時間待ちとなっていました(なんでや?)。すぐ諦めて比較的空いている電力館へ。それにしてもBゾーンの企業館の人気は、すさまじいものですね。

 度乗ってみたかったグローバルトラムが、珍しく空いていたので、衝動的に乗り込みました。今日は平日とあって遠足の小中学生と年配の方が多くみえているよう。トラムはループの上をゆっくりと進み、車窓から会場の風景をゆっくりと楽しむことができました(写真上)。コモン4が終点、まだ訪れていないパビリオンを廻ることにしました。平日の午前中とあってどこも数分の待機でスムーズに入館できました。

グローバルトラムに乗り込む
グローバルトラムからの風景


 1、モリゾーとキッコロ

 
オーストリア館の前で並んでいるとき、後ろの方でえらい騒ぎがするので振り返ると、万博のキャラクターであるモリゾーとキッコロがお出まし(写真右下)。モリゾーとキッコロのイラストの見ない日はないくらい、街中の看板や商品で目にしています。キャラクターは70年台以降、盛んに使用されるようになったといいますが、もちろん大阪万博ではまだ登場していませんでした。テーマ「自然の叡智」と商業主義は相容れないのではないかという厳しい意見もありますが、今回のモリゾーキッコロは商業的に大成功だったのではないでしょうか。

 ここ、会場においてもモリゾーとキッコロは大人気のよう、当初の予定よりお出ましが増えたと聞いています。私が会場でお目にかかるのは今日が初めてとなりました。キャラクターを見て喜ぶ年齢でもないのですが、着ぐるみを見るとどうも気になってしまいます。私も入ったことがあるからです、学生時代に。


 20数年前、○ガシマ○パーランドにおいて「ウッドペッカー・パレード」という催しものがありました。ウッドペッカー・ファミリーの縫いぐるみ(数人)とともに、20数人の楽隊が演奏しながら会場を巡るというものでした。私も他大学のバンド仲間と一緒に夏休みや日曜日にアルバイトで参加。拘束時間は長かったのですが、20〜30分のパレードを日に数回こなすだけで、あとはクーラーの利いた控え室で練習をしたり昼寝をしたりと優雅なもの、その上バイト料も売り子よりよかったようです。

 ところが、世間はそんなに甘くありません。私たち学生バイトは数日に1回、交替で着ぐるみに入り、パレードに参加しなければなりませんでした。真夏の炎天下に着ぐるみを着て歩くというのは、かなりシンドいものです(やった者でないとわからない)。滝のような汗と他の人の汗のすさまじい臭い。1回のパレードごとに、水分をたっぷりと補給し、着ぐるみを乾かさなければなりません。おまけに、悪がきには蹴飛ばされるし体当たりされるし。それでも、学生生活では一番思い出に残るバイトでした。
 
 モリゾーとキッコロの着ぐるみは思ったより小柄、女性の方が中に入ってみえるのでしょうか。これからはますます暑くなりますし、お出ましも多いよう。体調管理には、くれぐれも気をつけていただきたいと、かつての「同業者」として、願うものです。そして、多くのお子さん方にいい思い出をプレゼントしてあげてくださいね。お子さんたちは、蹴飛ばさないでくださいね。


コモン4到着 モリゾーとキッコロ



 2、瀬戸会場へ

 
国館はほとんど制覇、午後はモリゾーゴンドラ(写真左上)に乗って瀬戸会場(写真右上)へと向かいました。なぜ、瀬戸会場が設けられたか、というよりは、なぜ万博会場が長久手に決定されたかは、もうご存知の通りですね。海上(かいしょ)の森を破壊して環境万博を開催するという矛盾をつかれ、長久手の青少年公園へメイン会場の変更を余儀なくされました。瀬戸会場は、当初の計画の名残ということでしょうが、瀬戸の各パビリオンを歩いていると「いかに森の破壊を少なくして、瀬戸会場を建設したか」が強調されていました。もっとも、海上の森の間際まで住宅が押し寄せ(ゴンドラから家の中が見えるということでプライバシーが問題になりましたが)、瀬戸会場近辺の森は、もうすでにかなり破壊されているという印象を受けました。

モリゾーゴンドラ
瀬戸会場
瀬戸・市民パビリオン 瀬戸日本館(左)と瀬戸愛知県館(右)

 
 瀬戸会場で一番印象に残ったのは、瀬戸日本館の「群読」。「群読」とは、せりふを集団で語るという演劇手法とされています。実を言いますと、私は演劇とかミュージカルの類は興味がないというよりは、嫌いです。学生時代の演劇部の人たちや、友人(今の家内のことですな)に連れられて見た一人芝居の印象がすこぶる悪くかったからです。その独特の異様な雰囲気、私にはどうも近寄りがたいものがあったのです。したがって、学生時代に見たその一人芝居以降、演劇の類は一度も訪れていません。

 「群読」は、しばしばテレビでも紹介されていて、その独特の雰囲気に一種、嫌悪感を抱いていました。「群読」が瀬戸日本館とは知らずに入館、いつの間にか円形劇場に座っていました。ところが、舞台が始まると、30余名が円形舞台だけでなく会場を走り廻り演じる様子はまさに圧巻、演劇嫌いの私でさえ、感動してしまいました。と同時に、15分におよぶステージを完成させるのに、どれほどの訓練がなされたかを思わずにはいられませんでした。

 一人でのせりふ・数人でのせりふ・全体でのせりふを、交互に息つくまもなく朗読する様子などは、ソロ・ソリ・テュッティが交互に繰り返されて楽曲が進んで行く、ビッグバンドに相通ずるものもあります。違っているのはあの運動量。それも全期間中、毎日何回ものステージを行うとのことです。「群読」の皆さんにも、「体に気をつけて」と老婆心ながら思わずにはいられませんでした。瀬戸日本館は、もう一度、訪れたいものです。また、演劇好きの家内にも、是非一度見るように薦めておきました。

 
 さて、今日で愛知万博訪問も6回を数えることとなりました。大阪万博のときと同じ6回は訪問したいという目標(?)も、会期半分を残して達成。「博覧会おたく」の自分としては、次は「名古屋デザイン博」の11回に挑むことにしましょうか。家族の間では、「お父さんがいないと万博に行っている」ことになっていて、呆れられていますが、なんかかんか言っても会期はあと半分の3ヶ月、悔いのないよう遊んできたいと思います(その間は城郭散策もお休みですね)。



〔追記〕
 05/10/09

 当初、瀬戸会場は長久手会場と比べて人気がないと言われていました。私が初めて訪れた6月も、写真のように空いていました。しかし、長久手会場の地球市民村と同様、市民パビリオンや会場広場の市民による展示は、企業館などにない温かみ・手作り感があり、私としては非常にくつろげる場所でした。

 もう一度訪問しようと思いつつも、再訪問は閉幕間際の3連休中日。会期中最高の入場者数28万人を記録し、入場制限がされた日でした。詳しくは当日の日誌で紹介予定です。この日の瀬戸会場の空き具合、よく覚えておいてくださいね。

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