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愛知万博訪問記

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 #24 グローバルループ 05/09/10

 幕2週間前の土曜日。職場の万博好きな人たちの噂によると、今日も午前中からかなりの人出とか。いつも聞いている"FM Lovearth"からも、パーク&ライド駐車場や周辺の民間駐車場も既に満車なので、車での来場は控えるようにと繰り返し放送、多分、初めてのことではないでしょうか。かと言って、公共交通機関で行くと、帰りは「リニモ1時間〜一時間半待ち」という厳しい状況が待っていますからね。これだけはもう勘弁してもらいたいです。

 1、長久手サテライト会場

 回新たに見つけた県道長久手線の民間駐車場も既に満車。このまま帰るのも、しゃくに障るので、近くの長久手サテライト会場(「ござらっせ」の隣)を訪問してみました。

 愛知万博のサテライト会場には、名古屋市が運営する笹島会場と長久手町が運営する長久手会場があります。笹島会場は、初の「ポケモンパーク」として一部のマニアやお子さんたちに大人気です。駐車場は朝早くから、関東・北陸・中国・四国の遠方からの車でいっぱい。「そんな遠いところから、よぉこんなところに来るもんやわ」といつも、感心することしきりです。なぜ「いつも」かというと、毎週、仕事でこちらに来ているからです。ですから、笹島会場にはちょいと詳しいですよ。

 笹島会場と対極にあるのが長久手のサテライト会場。地元の有志による手作りの会場、という雰囲気。テントによる飲食物の販売、ステージでは地元の出演者が代わる代わる登場。どうも、盆踊りの会場という印象です。時間が中途半端だったせいか、観客も少なかったようですが、暗くなってくるとさぞ盛り上がるんではないでしょうか。地元で盛り上げるんだ、という意気込みが伝わってきて、皆さん、とても楽しそうでした。


 もうひとつ、こちらに来て気づいたのが、万博会場の遠景。一度、自転車で会場周辺を回ったことがありますが、遠くからみる万博会場の光景もなかなかいいものです。というか、遠くからの光景を楽しむというのも、城郭散策のときの習性ですね。

 サテライト会場からはご覧ような光景を目にすることができます。左手には展覧車、右手に向かって順にわんぱく宝島、大観覧車、EXPOドームが望めます。まあ、大阪万博に比べるとちょっと寂しいというか。なんか、平山城の天守閣(展覧車)と櫓(EXPOドーム)という感じですね。

長久手サテライト会場
サテライト会場付近から長久手会場を望む

 
 長久手会場見学後、今度は県道田籾線の駐車場へ行ってみました。「満」の看板が出ていたのですが、強引に中へ進入、顔見知りの駐車場係りの方になんとか入れていただきました。ここが駄目ならあきらめて帰宅しようと思っていただけにラッキーでした(ただ、厚かましいだけかも)。

 西ゲート到着が17時過ぎ。ちょうど夜間入場の人たちとかち合い、荷物検査の長蛇の列の後ろに並ぶ破目になってしまいました。ここまでたどり着くのにどえらい疲れてしまいましたが、ゲートをくぐるといつもの元気な万博小僧に変身。現金なものです、まったく。



 2、グローバルループ

 日も先週に負けず劣らず、かなりの混雑。滞留観客数が17万人を越すと、入場制限が行われるといいますが、今日はその寸前だったといいます。各パビリオンはどこも長い、長い列。今日はパビリオン見学はやめ、グローバルループの写真を撮りながら歩くことにしました。

 まずは、西口を出発、左周りでコモン3・5方面へ向かいます。この辺りと北口から企業ゾーンへ通じる箇所が、いつも一番混雑しています。ここでナイトパレードを行なって、大混雑・大混乱からすぐ中止になったのも、御もっともなことだと思います。コモン4もご覧の状態(写真左上)、いつもは休憩所になっているグローバルループ脇の広場も大混雑、「アートプログラム」の人形もお子さんたちの遊具と化していました(写真右上)。

 コモン4・3を過ぎ(写真左上)、コモン2に差し掛かるころには日も落ちて照明が灯り始めました(写真右上)。西口までのグローバルループの写真を撮ろうと思っていたのですが、この辺で断念。続きは次回にしたいと思います。

コモン4付近のGL コモン4の「アートプログラム」作品
コモン3付近のGL コモン2付近のGL


 ぜそんなにGLの写真を撮るのか? それは、この愛知万博の建造物の中で、私の一番のお気に入りだからです。最初に訪れたときからその魅力に惹かれ、訪れるたび時間を忘れて見入ったり、写真を撮り続けています。直線的な構造のパビリオンが多い中で、なだらかな曲線を描き、丘陵地帯に連なる姿は本当に美しいものです。それは下から見上げても(写真左)、横から眺めても(写真右)、太陽の下でも星空の下でも同様、いや、場所や時間によりいろいろな姿を見せてくれます。


下から見たGL 横から見たGL


 GLの上を歩いていると、なだらかな起伏があり曲がりくねった道筋は、まるで古い街道のよう。曲がりくねった道の向こうに、突然パビリオンが現れるという状況など、旧街道を歩いていて道の向こうに突然天守閣が現れるのとどこか似ています。直線的な道路、「碁盤の目」状の都市設計が多くみられる現代都市(特に、名古屋)に慣れた身には、曲線の道というのは新鮮に感じるのと同時に、なつかしさや安堵感を覚えます。街道歩きの好きな私にとっては、GLの上を歩いているだけでも結構楽しめるものです。それに、もともと歩くのが好きですし。

 
 Lは、起伏のある丘陵地帯の地形を改変することなく、各コモンに配置された外国館を結ぶ「空中回廊」として建設されました。設計者は、日本を代表する建築家・菊竹清訓氏、大阪万博のエクスポ・タワーの設計者として知られています。つまりは、大阪博・愛知博の代表的な建築物を手掛けられているということになります。

 エキスポタワーは、大阪博のもうひとつのランドマーク「太陽の塔」とともに、大阪万博閉幕後も残されていました。しかし、残念なことに2年前に解体されています。一方、愛知万博の建造物のなかでも閉幕後も残されるのは、一般客とはなんの馴染みもない「迎賓館」。閉幕後に訪れても何の感慨もないことでしょう。

 でも、うれしい事に、GLの一部も残されることが既に決定されています。10年後、20年後、再び会場跡を訪れても、また、私の好きなGLに会えるというのは楽しみなことです。この会場が、GLが、閉幕後、後どのように変遷していくのか、ずっと見守っていきたいものです。



 3、パフォーマンス

 場の混雑時にいつも避難するのが、地球市民村。企業館や外国館のあるゾーンの混雑をよそに、人影も少なくゆっくるとできるスポットでした。「でした」というのは、来場者数が20万人近くなった最近では、ここも以前の静けさがうそのようだからです。地球市民村の入り口にあたる「ルミナリエ」付近はすれ違うのも大変。それでも、灯りに群がる夏の虫のように、夜空に美しく光り輝く大観覧車(写真左上)に吸い寄せられてしまうんですね。

 お気に入りのスポット、地球市民村の屋外ステージではコンサートの真っ最中(写真右上)。昼間は何度も訪れていますが、夜の訪問は2回目。それに、ライブは初めてです。ちょうど、次のバンドが始まるところ、小さな会場に観客もまばらでしたが、暖かい雰囲気はジャズのライブハウスのようですね(最近行っとらへんけど、寝るのが早いもんで)。

 女性ボーカルに、b、ds、pf(&g)という編成のバンド(写真左下)には、”MIGIWA with A-O・金山太一”という紹介がみられました。ポップスには疎い私は、もちろん初めて聞く名前です。1曲目を聞いて驚きました。ドラミングがまったくジャズだったからです。ベースもピアノもかなりの実力派。途中でジャズ・ワルツが入ったのですが、これで納得、このバンドの基本はやはりジャズだったのですね。

 「君は愛されるために生まれた」という、メッセージ性の強いライブだったのですが、きれいな(声も)女性ボーカル(写真右下)の歌もそっちのけで(すいません)、ベースとドラムスに聞き入っていました。30分の短いステージでしたが、地球市民村での初めてのライブ、素敵な雰囲気のなかでゆったりとした時間を過ごすことができました。


大観覧車 地球市民村でのライブ
MIGIWA

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