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愛知万博訪問記

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 #19 環境博 05/08/24

 会期も残り一ヶ月あまり、そして夏休みも最後週へと突入。最近は家族連れのマイカーが急増、会場近辺では普段めったにお目にかからないような関東・北陸・関西・中国、そして四国ナンバーの乗用車も少なくありません。それに伴い、いつも利用している民間駐車場も満車状態。毎回、会場へ向かうたびに「ちゃんと車をとめれるかしゃん」と思わず不安になってしまいます。前回は駐車場の確保に懲りたものですから、今回の水曜定休日、前夜の訪問は取りやめて、朝から地下鉄で訪問することにしました。

 さて、前回から、各パビリオンに最後のお別れをしながら、新しいスタンプ帳を埋めていくことにしました。前回のコモン5・1に続き、今日はコモン6・3・4の順で南へ下っていきました。平日の午前中とあってどこもスムーズに入館できました。そんな中、ルーマニア館(写真左)では劇を、ウクライナ館(写真右)では民族音楽を鑑賞。前者は、セリフのない現代劇(?)、演劇に弱い私にはまったく理解不可能能でした。他のお客さんも、何を言わんとするのか、果たして分かったのでしょうか。ちょっと難解でした。

 
ルーマニア館 ウクライナ館


 1、森のツアー

 コモン4をさらに南下、EXPOドーム前を通過し、森林体感ゾーン(南の森)へと入っていきました。こちらは、2回目の訪問となります。森の入り口には「森の自然学校」があり、エコロジーについて学習できる展示があります。この辺りをうろうろしていると、「森のツアー」の参加者募集の声が聞こえてきました。まだ、南の森には入ったことがなかったので、好奇心からちょっと覗いてみることにし、整理券(写真左上)を受け取りました。

 13時半に集合、整理券を森の「パスポート」(写真右上)に交換、「インタープリター」と呼ばれる森のガイドさんからこのツアーの目的、注意点などをお聞きしました(写真左下)。ほとんどが小学生のお子さんを含む家族連れ、つまりこんな平日に一人で参加する大人は私一人ということになります。インタープリターさんが、各参加者の出身を尋ねると、地元愛知だけでなく関東・関西からのご家族連れもみえるようでした。二手に分かれてツアーに出発(写真右下)。ミネラルウォーターの支給は、予想もしていないものでちょっとうれしかったですね。


「森のツアー」整理券
「森のツアー」パスポート
集合 森林散策



 私たちのグループのインタープリターさん、滋賀県出身の若い女性の方。急な山道を登る道すがら、特徴的な木の解説や、森のいろいろな鑑賞の方法を教えてくれます。子供たちは大喜び、普段は森に接することのない街の子たちなのでしょうか。山のふもとに育ち、幼い頃から森に接してきた私にとっては、このような単なる「森」が展示対象となること自体が不思議です。しかし、考えてみると名古屋に来てからの20年、そういう私自身も森に接する機会は実家に帰ったとき位しかないんですね。森育ちの私には、やはり森の中は落ち着きます。

 途中、「森のドーム」(写真左)を通りすぎ、目的地ではちょっとした遊びをしました。ひとつは、手鏡を鼻の下に置き、鏡を通して森を下から眺めるというもの。そのままの姿で森の中を歩くと、下からみた木々の葉が、意外と美しいのに驚かされます。もうひとつは、その鏡とその辺りに落ちている自然のものを使っての作品作り。各家族に分かれて時間内に作成、皆で鑑賞し合うことになりました。

 あぶれた私は、一人で来たという中学生の男の子とペアで作品作り。名古屋近郊から、もう6回目とのことでした。中学生のときからひとりでこのような所に出掛けてくるなんて、どうも昔の自分を思い出してしまいます(と同時に、息子がいたらこんな感じかな、なんて思ってしまいました)。

 さて、私はアートの類はちょっと苦手というかなんというか、自信がないので、私たちの作品は略。代わりに私の選んだ最優秀作品を、勝手に紹介させていただくことにします。題して「森のケーキ」。鏡を上手く利用していますね。すばらしいです。

森のドーム 某家族の作品


 品展終了後は、きちんと後片付け。そして、解散です。その間1時間、パビリオン巡りとは一風違った万博の風景を体験することができました。森の中で開催された「環境博」ならではの企画ですね。



 2、環境博

 近、グローバルループを歩いていると、以前はなかった看板を目にするようになりました。「この会場がいかに環境に配慮して作られたか」という説明のものが数種類(写真左)。そして、写真週刊誌にも紹介された9種類の分別ゴミ箱、そしてその後ろにも看板が登場(写真右)。「愛知万博は『環境博』と謳っているけど、全然違うじゃないか」という厳しい声が少なくないので、「そんなことはありませんよ、ちゃんと環境にも配慮してますよ」と協会側が強調するために急きょ設置されたものです。


環境問題についての説明看板 分別ゴミ箱と説明書き


 実際、私の周辺にも「どこが環境博じゃい」と主張する方もみられますし、新聞などのアンケートなどでも同様の結果が出ています。みなさんが、どうしてそのような印象を持たれるのでしょうか。きっと、1〜2回来場で企業館や外国館を中心に見学、高価な食べ物やキャラクター・グッズに群がる多くの観客を目にされて、商業主義の多くのテーマパークと同様の印象を持たれたのではないか、と思うのです。


 それでは、愛知万博は、果たして「環境博」なのでしょうか? これは当万博のメインテーマでもあるので、触れないわけにはいかないでしょう。そこで私見をば。

 愛知万博は、環境博か? 私の印象は、もちろん「イエス」です。このことは、35年前の大阪万博と比較をすれば、もう明らかなことです。「わたしゃ、大阪万博なんて知らんもん」という方のために簡単に説明しますと。
 
 第一、リサイクルを考えた会場・パビリオン設営。とにかく、愛知万博のパビリオンは”やぐい”です。半年後の再利用を前提に建設されていますから、作りも簡素です。母親と長久手日本館に来場したときのこと。「大阪万博のときと比べると、やぐい作りやね」などと話しながら、入り口のすぐ前の行列で待機していると、天井から背丈の倍ほどの竹の支柱が落ちてくるではありませんか。隣の列に落下、幸いけが人はなかったものの関係者が10人ほど駆けつけ、えらい騒ぎです。後日の新聞に出ていましたが、どうも初めてではなかったようです。

 大阪万博のパビリオンの多くは通常の建築物と同様に建築されていましたから、その威容も堂々としていました。閉幕後に移転されたいくつかのパビリオンは、35年後の現在も健在です。

 第二、環境に対するさまざまな取り組み。新しい技術の試験(ミスト、バイオラング)の他、環境に対する学習の場も多くみられます。その多くは、人気の企業館や外国館ではなく(もちろんこちらでも見られますが)、先に紹介した南の森の入り口の「森のビジターセンター」、地球市民村や市民パビリオン(瀬戸)の多くのNPO・NGOによる展示、などなど。どちらかというと、人が集まりにくい「僻地」にあるため、1〜2回の訪問では目にすることがないのかもしれません。

 詳しくは、「エコマップ」をご覧になってみてください。このパンフレットを片手に会場を実際に歩いてみると、「愛知万博は環境博だったんだ」という認識を新たにされること、間違いありません。


 さて、今日は水曜日、夜にバンド練習がある日でので、休日前日のように遅くまで会場に滞在することはできません。今日も16時前に会場を後にしました。朝からの訪問のときは、これくらいがちょうどよろしいようで。




〔追記〕
 05/10/20

 愛知万博の会場整備の設計及び施工は”3つのR”に象徴される言われています。
  リデュース(ゴミを出さない)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)。

 愛知万博が「環境博」だったことが再認識されたのは、会期中よりも会期後だったのかもしれません。連日、各施設が各地にお嫁入りするニュースが伝えられます。また、外国パビリオンに納入していた某業者の友人。余った商品はすべて納入業者が持ち帰るとのこと、「愛知万博って本当に環境博だね」っていう彼のことば、印象的でした。


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