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愛知万博訪問記

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 #16 ヘブン・アーティスト 05/08/06

 昨日、土曜日の午後はバンドの練習(サックスのパート練習)があったので万博はお休み、今回は日曜日の訪問となりました。7月は9回、3.44日に一回の割で訪問しているものですから、1週間ぶりなの訪問というのは、なんか久しぶりという感じがします。また、今日は入場時の混雑を避けるため午後からの訪問となりました(まぁ、あの混雑ぶりには懲りました)。

 先に報告しておきますが、今日はパビリオンへほとんど入らない「パフォーマンス」見学の日。パビリオンを見学するだけでなく、あちこちの催し物を見て廻るのも万博の大きな楽しみですね。


 1、コスプレ・サミット

 GC4を散策しながらEXPOホールの前を通ると、なにやら人だかりが。近寄ってみると、コスプレの集団です。そういえば数日前の新聞で、ここ、万博会場において「世界コスプレサミット2005」が開かれるという記事があったのを思いだしました。今日がその当日だったようです。なんでも世界7カ国から選ばれた40名がコンテストに参加するとのこと。それに、サミットの来場者もみなコスプレです。
 
 コスプレというと、以前は「オタクの元祖」、「ちょっとア○ナイ人たち」という先入観があったように思いますが、最近では「日本が誇る文化」とまで言われるようになったようです。その新聞記事を見るまで、世界中でこれほどの人気があるとは思ってもみませんでした。

 
 会場周辺では、コスプレの若者たち、コスプレを撮影するのが目的のオタクっぽい人、たまたま通りかかった来場者が入り乱れてのプチ撮影会。特に小さなお子さんたちや年配のご婦人方は大喜びで彼らと一緒にカメラに収まっていました。私もどさくさに紛れて撮影会の中に進入。

 どなたも快く撮影に応じて下さいました。みなさん、撮影慣れされていらっしゃる様子、ポーズもなかなか決まっています。特に私が気に入ったのがこの二組。最近のアニメは詳しくないので、左の方は何に扮していらっしゃるのか分かりませんが、目力を感じます。右の方はもう説明は要りませんね。会場でも一番人気、遠くのほうからも「きたろうさ〜ん」という声援が飛び交っていました。


 普段はコスプレに関心がない私が、彼らになぜか惹きつけられてしまったのは、好きなことに真剣に取り組んでいる姿に共感するものがあったからではないかと思います。コスプレに対する認識を新たにしました。それに彼らのカッコいいこと。どうですか、ポーズもなかなか決まっていると思いませんか? 


鬼太郎ねずみ男



 2、フラメンコ

 いつもはゲートを入ると、なぜか無意識のうちにグローバルループを右回りしています。したがって、欧州館のあるグローバルコモン3・4に着くころはいつも真っ暗。そこで、今日は反対回りで、まずGC3・4へ行ってみることにしました。EXPOホールを後にしてGC3の近くを通ると、ステージから軽やかな音楽が耳に飛び込んできます。フラメンコです。このステージでパフォーマンスを見るのは今日が初めて、いままではいつ来ても真っ暗でしたからね。

 スペインの催事なのですが、踊っている方は日本の方。どこかのフラメンコ教室のみなさんなのでしょうか。それはさておき、今日初めてフラメンコを見たのですが、見た瞬間からその魅力に惹かれてしまいました。3拍子のアップテンポの軽やかなリズム、すばらしいスパニッシュ・ギターの伴奏、そして楽しそうに踊られるダンサーのみなさん。ステージの楽しさが客席まで十二分に伝わってきます。エネルギッシュで華麗な踊り、フラメンコに魅せられて習う方が少なくないと聞きますが、初めて見た私でもその理由がすぐわかりました。それにしても、ギタリストのすばらしいこと、「16分のおかず」を入れるときのテクニックには驚嘆しました。


コモン2のステージ フラメンコ




 3、ヘブンアーティスト

 明日も早朝から仕事だし、そろそろ帰ろうかと思ったとき、目に留まった次なる人ごみ(写真左)。日本館の前には2つの特設ステージがあり、ちょうどパフォーマンスが始まるところでした。パネルにはHEAVEN ARTIST。そういえば、日本館の前の日本広場で、ヘブンアーティストのパフォーマンスが行われるという新聞記事があったことを、またまた思い出しました(新聞、公式サイトはこまめにチェックしとります)。

 ヘブンアーティスト。確か、石原東京都知事の肝いりで始められた、東京都公認の大道芸。設立当時、新聞やニュースで大変話題になったのをご記憶の方もみえるかもしれません。5日から9日まで、「東京都の日」のイベントとして、15組が、マジックや音楽、アクロバットなどのパフォーマンスが行われるとのこと。ここ愛知でもお目にかかれるとは、万博ならではですね。

 
 ずは2つのステージで交替にマジックやアクロバット。それぞれのステージの周りにはもう幾重にも人の輪ができていて、笑いや歓声が絶えません。特に驚いたのは中国雑技芸術団のお二人(写真右)。このようなアクロバット、テレビで見ることはあっても間近で見るのは初めて。体のバランス感覚といい、柔らかさといい人間技とは思えませんね。彼女はなんと13歳とのことです。


日本館前のひろば 中国雑技芸術団


 テージ周辺にはご覧のような姿の芸人が、一発芸をしながら会場のお客さんたちを驚かせています。私も突然近くに大きな目玉(写真左)が現れて、ぎょっとしてしまいました。そして、銀一色の方(写真右)、音楽に合わせて指揮をするパフォーマンスなど、どうも我がバンドのコンマスをほうふつとさせ、思わず噴出してしまいました(すいません、S藤さん)。


medaman-medaman ○○さん



 て、今日の大収穫はHIBI★chazz-k(ヒビチャズケ)。雑技団のステージも終了したころ、後ろの方からサックスの音。ヤッター。思わず叫びながら、かぶりつきの席へ、そして写真撮影(写真右下)。当バンドのことは、万博の公式サイトで初めて知りました。もう出番はないものと思っていたのですが、1日の出演者が勢ぞろいしての最終ステージ「ナイトカーニバル」に登場です。

 作業服とヘルメット姿のサックス(ss、as、ts、bs)とパーカッションの五人組「ストリートサックスアンサンブル」、ヒビチャズケ。 「ひび則彦のオリジナルアレンジで暗譜での演奏。生音でどんな場所でも動きながら演奏できるスタイル。Jazzを基本に、映画音楽やラテン音楽もまじえた、幅広いレパートリー。美しいアンサンブルに華麗なソロ、激しいアドリブが特徴的なサウンド」(公式サイトより)。まさに、この通り。

 本日演奏された曲の中には、「シング・シング・シング」「キャラバン」など、私たちのバンドが前回のコンサートで取り組んだものもみられました。アレンジがとにかくすばらしいですね。1本のリードの下にbsのベースライン・2本のオブリガートという形式を基本に、4声のソリ、2本での掛け合い、アドリブなどなど、一時も目が離せません。しかも、、それを暗譜でパフォーマンスをしながらの演奏ですからねぇ。是非また見てみたいものです。


HIBI★chazz-k(後方は大地の塔)

 
 17時半ころに軽い気持ちでのぞいたヘブンアーティストのステージ。終了時にはあたりも真っ暗、7時を過ぎていました。今日はパフォーマンス三昧、堪能しました。得した気分です、ジャズアンサンブルも聴けたし。

 その道の第一線で活躍される多くの方たちのパフォーマンスを通じて、厳しい練習に裏打ちされた確かな技、お客さんを飽きさせない話術はもちらんのこと、「演じる自分自身が楽しみ、そして、いかにお客さんにも楽しんでいただくか」という心の大切さを、1プレーヤーとしても勉強させていただいた1日でした。

 



〔追記〕
 05/10/18

 これだけの多様なステージを見ることができた、というのは万博ならではですね。どれも心に響くステージでした。私の普段の生活でダンスを目にすることはほとんどありませんし、これからもないだろうと思います。でも、各民族のダンスを観ていると、長い年月の間に培われた伝統音楽、そしてダンサーたちの技術・ひたむきさなどなどが伝わってきました。

 そして、ヒビチャズケ。当日入手した手作りのCD。家でもよく聞いています。各プレーヤーのテクニックはもちろんのこと、アレンジが本当にすばらしいですね。
 ビッグバンドアレンジの中にも、ノーリズム(またはベース・レス)でのサックスアンサンブルが盛り込まれた曲があります。私が演奏した中では、東京ユニオンの「サテンドール」、メイナード・ファーガソンの「グルージン・フォー・ブルージン」。バリトンサックスで奏でるベースラインが、本当に心地よいものです。「ああ、バリトンサックスをやっていて、よかった」と思える瞬間でもあります。ヒビチャズケさんのアレンジの曲、私もバリトン奏者として演奏してみたいものです。
 なお、ヒビチャズケさんの公式サイトにおいて、試聴できるようになっていますので、関心のある方、是非聞いてみてはいかがでしょうか?


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