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愛知万博訪問記

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 #12 企業館 05/07/19

 連休中日の一昨日、日曜日、入場者数が最高記録を一気に更新し、21万人に達したとか。私の知人もこの日、万博を訪れたのですが、人気の日立グループ館などは7時間待ちだったといいます。17万人は経験していますが、その2割増しとは。明後日からは学校が夏休みですし、これからは連日の混雑が予想されますね。

 さて、今日は仕事で藤が丘へ行く日。
  ・ 万博会場近くまで行く。
  ・ 明後日から学校が夏休みで混雑。
  ・ まだ行っていない人気パビリオンがある。
 となると、これはもう万博へ行くしかありません。ということで、今日も仕事の帰り、万博へ行ってきました。人気企業館へ長時間待たずに入る最後のチャンスかもしれませんから(7時間も並びたねぇもんなぁ)。


 1、オーストラリア館のパフォーマンス

 いつものように西口から入場、グローバルループを右回りで企業館へと急ぐ途中、お気に入りのコモン6をちょっとのぞいてみました。オーストラリア館前にはご覧のような人だかり(写真左)。今日は、夕刻だけでなく、明るいうちからなにやらパフォーマンスの真っ最中。どうやら、男性3人による椅子を使っての寸劇のようです。言葉を一切使用せず、激しいアクションを交えながら、周囲のお客さんたちを爆笑の渦に巻き込んでいます。

 そういえば、以前も、男性3人によるアカアペラ・グループが来場していました(写真右)。アカペラを歌いながらコモン6を練り歩き、周囲のお客さんを巻き込みながらコントを繰り広げていきます。周囲の女子学生からは「キモイ〜」なんて声が聞かれましたが、あれだけすばらしいアカペラを歌いながら、アドリブでコントを繰り広げていくとはかなり高度な芸当、と感動していました。それもそのはず、その日の夕刊には彼らの紹介の記事が掲載されていましたが、オーストラリアではかなりの人気とのことでした。もう一度見てみたいですね。

 それにしても、オーストラリア館は本当に楽しいスポット、パビリオン内部の展示はよくわかりませんでしたけど。パビリオン前は、昼といい夜といい、1日中多くの人だかり。それもかなり著名な人を連れてくるほどの力の入れよう。今度はどんな仕掛けが待っているのか、またのぞいて見たいものです。まだご覧になっていないあなた、是非、よって見てください。


オーストラリア館前 5/25のコモン6



 2、企業館

 この万博でも一番人気が企業館ゾーンB。そんな中、待ち時間の長さからみた人気ベスト3が「日立グループ館」「東芝・三井館」そして「トヨタブループ館」。いつ前を通っても入館待ちの人であふれ返っています。是非ここだけは見ておきたいという、遠方からの来場者もかなり多いようです。私のようにしょっちゅう来ていると、数時間待ちの表示を見ただけで躊躇してしまいます。

 ほとんどのパビリオンも入場したし(数館の外国館を除いて)、残すは企業館だけ。万博オタクとしては、是非これらの人気企業館も制覇しておきたいところ。ということで、最近は一日一館ずつ覚悟を決めて(?)巡ることにしています。そして今日は、ベスト3の中で唯一残るトヨタグループ館(写真左上)。

 
 予約券がない人はパビリオン北側にある、北ゲートと瀬戸会場行きゴンドラ駅を結ぶ連絡橋へと通されます(写真右上)。18時20分入場のグループの行列に加わったのが、16時40分。2〜3時間は並ぶ覚悟でいましたから、1時間半は、思ったより短くちょっと安心。先日の2時間半待ちの苦行、ふんとにシンドかったですからね。

 こちらの行列、他のパビリオンとはちょっと様子が違います。写真をご覧になっていただくとわかると思いますが、ゆったりと床の上に座って待機、一人当たりのスペースも十分あります。みな、くつろいでいて、中には横になって寝ている人もみられました。私も靴を脱いであぐらをかき、ペットボトルのポカリを片手に読書。はじめは西日が差しこんでいたのですが、まもなく日陰、心地よい風がこの広い通路を吹き抜けていきます。仕事の疲れを癒すにはもってこい。通路から隣を見ると、他の人気パビリオンの行列が見えます(写真下)。日立グループ館は、先日よりさらに多くの行列、こりゃ3時間の苦行は確実ですね。

 1時間座って待っていると、入場券(行列待ち証明書)が配られ、30分後にはパビリオンに入場するように告げられてその場で解散。ちょっと拍子抜けしたというか、助かったというか、得をした気分になりました。みなトイレに駆け込んだり、水分を補給したり。隣で苦行している人とこちらの待遇の差はいったいなんなんや? などと、いろいろと原因を思い浮かべてみましたが、多分、多数を一括して処理する催しと、個々に対応する催しとの違いかな、なんて、ひとり納得しました。


トヨタグループ館
トヨタグループ館入場待ちの行列
東芝・三井館入場待ちの行列 日立グループ館入場待ちの行列


 トヨタ館といえば、ラッパを吹くロボット。私たちのバンドの間では予ねてから大変話題になっていました。それも、「ロボットが演奏するんなら、俺らもう要らんな」などというマイナスイメージで。テレビでもよく紹介されていて、ビブラートも強弱もありの演奏には、みな、ちょっと驚いていたようです。

 私の一番の関心も、そのロボットの演奏。最初はラッパのソロ、次はバルブ・トロンボーン、チューバを交えての合奏。一番びっくりしたのはドラムを叩くロボット。リズムボックスと原理は同じなのでしょうが、フィル・インもこなす姿は視覚的にもインパクトのあるものでした。

 ラッパの印象は、指向性が強く、芯のない「びや〜」とした音がするというものでした。前者はプロ奏者の特徴、後者は初心者の特徴ということになるます。もっとじっくり聞こうと身を乗り出したのですが、ロボットは横を向いているので音がこちらに飛んできません。おまけに、ドラムの音が響くし、司会者が「手拍子を」とか「一緒に歌いましょう」などと客を煽ります。「こら、ラッパの音が聞こえんやねぇか!」と心の中で叫ぶ私。演奏の最後のロングトーンでハイノートが出ていないのをみて、「やっぱ、ウチのバンドのラッパ隊はうまいんやな」などと、変なところで納得していました。

 2本足で歩きながらラッパを吹くなどというロボットは、ミュージシャンにとっては驚異的(脅威的?)でしたが、まだまだ人の域までは達していないし、それに金管楽器だけ、木管楽器(サックスを含む)を吹くロボットはまだしないし、私たちもまだまだ安泰だななどと、ちょっと安堵感を覚えました(うそ)。でも、あのロボット、本当に「人口唇」で音を出しているのでしょうか。本当なら唇が振動するところを間近でみてみたいものです。

 メイン・ショーもテレビでよく紹介されています。ステージもかなり大掛かりなもの、この万博では1番ではないでしょうか。ただ、内容はミュージカル仕立て、この手のものが苦手というか理解できないので、感想は省略(母親は感動して、また見たいといっていましたが)。ただ、一番最後に登場した、人が乗って操縦する二足歩行のロボット、インパクトがありましたね。小学校6年生のときに読んだ、『少年ジャンプ』掲載の「マジンガーZ」(私はガンダム世代ではないので)、当時は「ふんなもん、SFだけの世界や」などと醒めてましたが、それが現実となってきたんですね。


 回の万博の企業館に関しては、テーマ「自然の叡智」との関連性に疑問の声が多く聞かれます。が、万博の基本的な考えである「時代の最新技術の展示・紹介」という点で、企業館に負うところが大きいのではないでしょうか。企業館を通して、1970年から2005年にかけての35年間の科学技術の進歩を、十二分に実感することができました。

 また、大阪万博の個性的なパビリオン群と比較すると、愛知万博では「狭い会場」「環境問題」という制約の中、外国館は画一的なプレハブに閉じ込められていてちょっとさびしい感がします。それに比べて、大阪万博を彷彿とさせてくれるのが、個性的な各企業のパビリオン。企業館ゾーンが一番万博らしい風景になっているといえます。コモン2のグローバルループから見た企業ゾーンの夜景が、私の一番のお気に入りの風景となっています。


夜の企業館





 〔追記〕
 10/14

 最近の万博関連のニュースといえば、「各施設の新しい移転先の決定」と「万博関連イベント」。モリゾー・キッコロ関連商品の売り出しや万博の写真展が開催されると、開場時間前から既に何百人という長蛇の列、そしてレジでもまたまた長蛇の列。まだまだ、万博大好き人間の間では、愛知万博が終わっていないのですね。

 愛知万博で想い出のひとつは、やはり長い長い入場待ちの列。結局、大阪万博と一緒だったわけです。人気の企業館での2時間待ちも結構しんどかったですが、入場ゲートの待機と荷物検査も結構きつかったですね。まあ、今となってはよき想い出です。

 万博終了後も、関連イベントに長蛇の列を作られる方、列に並ぶのが快感になってしまった、としか考えられません。私も、まあ、写真展で記念スタンプを押すのに列に加わった口ですが。


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