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愛知万博訪問記

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 #10 人間ウォチング 05/07/12

 明日は水曜の定休日、ということで今日の夕方も心置きなく万博会場へ。人気企業館は、朝早くきても4時間待ちですし、夏休みになるともっと待ち時間が増えるのは確実。ということで、今日はまだ見ていない人気パビリオンに行ってきました。

 まず、名古屋市パビリオン「大地の塔」と名古屋企業出展パビリオン「夢見る山」の中の「めざめの箱舟」。私の周辺の評判どおりのものでした。私も、この手のもの(アートなるもの)は、どうもよくわからないというか、理解するにたるセンスがないというか、そもそも興味がないというか・・・・・・。

 
大地の塔・入り口 めざめの箱舟・入り口



 1、愛・地球広場

 「大地の塔」の見学後、「めざめの箱舟」の入館時間までまだ間があったので、愛・地球広場で休憩しました。

 この広場は、当万博のメイン広場。グローバルループの中央に位置し、グローバルループ西半分からは広場が望めます(写真左))。広場といえば、大阪万博の「お祭り広場」を思い出すのですが、この広場、どうも主な行事は「EXPOドーム」に持っていかれてしまって、ほとんど行事が行われていません。すばらしいステージがあるのですが、ほとんど使用されていないようです。普段は、家族連れの休憩所になっています(写真右)。


ゴンドラから見た「愛・地球広場」


 そんな広場に人が集まってくるのが、毎日15時から始まるデイリー・イベント「精霊たちの舞踏会」。元・米米クラブの石井竜也がプロデュースしたことで知られています。「妖精や精霊が繰り広げるパレードやダンス、CGで、森たちの聞こえない声や見えないものを表現し、自然からのメッセージを伝えます」(公式サイト)という紹介。演劇の類が苦手な私ですが、せっかくの機会だからそのまま広場で観劇することにしました。

 ステージの前にはご覧のような観客(写真左)、これだけの人をこの広場で見るのは初めてです。時間になるとパレード・カー(?)に乗った役者さんたちがステージ前に到着、そして広場の観客とコミュニケーションをとりながら演技、広場を飛び交います。皆、記念写真をとったり握手したりと、おおはしゃぎ。

 あらすじは、町の破壊によりすみかを追われた精霊たちが森へ引越しすることに。そこで先住者の森の精霊たちに認めてもらうために、ダンスをする、というもの。巨大なスクリーンに映し出されるCG、役者さんのダンスに見とれているうちに、次のパビリオンの予約の時間が来てしまいました。続きはまたの機会に、ということで。


ステージ 役者さんたち



 2、人間ウォッチング

 人気の企業パビリオンは、夏休みを直前にし、少しでも待ち時間が短いうちに制覇しておきたいということで、平日夕方に並ぶことにしています。先日は待ち時間70分の三井・東芝館(写真左)へ、今日は140分の表示がある日立グループ館(写真右)へ行ってきました。これらの写真は先日撮影したものですが、今日は行列は屋根の中に納まる範囲。「まあ今日は少ない方やな」と納得し、18時に行列に加わりました。

 「行列をする」という習慣が、日本において日常的なものになったのは、大阪万博からではないかという説を聞いたことがあります。私自身も大阪万博が行列初体験、人気パビリオンのソ連館や日本館はかなりの時間待った覚えがあります。最近はテーマパークもあちこちに増え、人気アトラクションは長時間待つのも、当たり前になってきたようです。

 
 ひとりでこのような長時間並んだのは、今日が初めて。単行本を用意してきたのですが、すぐ日が落ちて本を読める明るさでもなく、諦めて黙々と並ぶことにしました。そうなると、興味対象はもう周囲の人の観察、つまり人間ウォッチング。

 行列は写真のように何回も折り返しながら入り口に向かうようになっています。そうすると、何度も同じ人と繰り返し顔を合わせることになります。今日はもう夕刻とあって、遠足の集団の姿もみえません。楽しげに語らっている若いカップル、寡黙な60・70台歳台の夫婦連れ、老若男女を問わずにぎやかな数人のグループ、子供をあやしている若い夫婦。そして私のように一人で来ている人も結構見かけます。携帯で話している人(大阪の時にはもちろんいなかったですわね)、ゲームをしている子供、売店で買った焼きそばや持参のおにぎりをほおばる人。

 それとはなしに、ことばに耳を傾けていると、たまに関西方言も聞こえてきます。中には、北京語や広東語のご家族も。ハングルは、まだほとんど聞いたことがありませんね。前回(三井・東芝館のとき)、私の前に並んでおられる年配の2組のご夫婦、ことばを聞いていると、大垣方言みたいに連母音融合は著しいけれど、名詞語尾(いわゆる断定詞)は「(雨)だ」を使用、それでいて三河方言ではないよう。どこの方言だろうと疑問に思い、それとなくお聞きすると、稲沢市からとのこと。なるほど、辻褄が合いますね。

 列は何回も折り返しながら、少しずつ前へ進んで行きます。いつのまにか辺りは真っ暗、何回も顔を合わせている隣の列の人たちにも疲れの色が見えてきます。もう、これは修行の域だな、と思っているうちに、20時20分になってやっとパビリオンの前にたどり着きました。さすがに疲労困憊ってところです(みんな、ようやるわな、ふんと)。
 
三井・東芝館
三井・東芝館の行列(前方は日立館))
日立グループ館 日立グループ館の行列


 3、企業パビリオン

 三井・東芝館は、3Dスキャナーで取り入れられた各来場者の顔がが、CGアニメの登場人物となるという趣向。アテンダントの方は、「みなさん、アニメのあらすじより、ご自分のお顔を捜すのに熱中している」とおっしゃってましたが、まさしくその通り。私は、多分最後に登場する女性グループの左の背が高い人だったような気もするのですが、登場時間が短くてよく分からなかった、というのが正直なところ。

 日立グループ館では、ジオラマと3DCGが融合、目の前にいる猿にバナナを放り投げて見たり、手を傾けると、手の上に乗っている鳥が落ちまいと羽ばたいたりと、まさにTV紹介で見た通り。まfた、最初に撮った記念写真が、映像の最初に登場したり、物語の案内役のふくろうが「ヨシヒロサン」と各見学者の名前を呼びかけたりするのには、驚きました。

 映像のすばらしいのは、どこのパビリオンにも共通していること。大阪万博と比べると、映像技術の驚異的な進歩を実感します。さらに、上記2つのパビリオンの特徴は、来場者個々に対応しているということ。来場者の顔を映像に取り入れたり、名前を呼びかけたりと。これだけの来場者をこなしながら、これだけの対応、映像よりそちらの技術の方に感動しました。

 日立グループ館では、さらに記念撮影した画像が、自宅のパソコンを通じて入手できるというサービスぶり。さっそく自宅で確認したところ、映っている自分の顔の疲れていることといったら。そりゃ、仕事帰りに2時間も修行すれば、もともと疲れ気味の顔が、もっとやつれてみえますわね。最近、自分の写真が(コンサートの写真以外)全然自宅にないのも納得です。パスポートの写真は前々回の免許更新のものをやっと探して、はっつけときました、ほかになかったもんで。

 



〔追記〕
 10/12

 企業館は夏休みの前に行っておいて本当に正解でした。閉幕前ですと、7〜8時間待ちという状況が続きました。ちょっと信じられないというか、よくまぁ、そんな長時間も並ぶなぁ、というか。これも、比較的空いている時期に入ってしまっているからいえることでしょうけど。

 「精霊たちの舞踏会」。全編みたのは、閉幕4日前。このイベントだけでなく、9月になると毎日いくつかのイベントがこの広場で開催されるようになります。毎回、広場から人があふれてグローバルループの上も柵の前は満席という状態が続きます。そう考えると、夏休み前というのは本当にゆったりと見学できたんですね。


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