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愛知万博訪問記

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 #27 特別展「タイムスリップ大阪万博」 05/09/17

 近よく利用しているリニモ「芸大通」駅の近くの民間駐車場を無事確保、土曜日の午後としては意外に順調な滑り出しです。閉幕が間近となり、駐車場の確保が一番の課題。仕事帰りの万博訪問では、無事駐車できるかいつもヒヤヒヤです。

 1、会場外からの光景

 車場さえ確保できればあとは余裕。ワゴンから自転車を下ろし、心地よい風を受けながら、遠くにみえる大観覧車を目指してサイクリングです。私の横を、同じく会場へ向かう親子三人の自転車が、通り過ぎていきました(写真左)。男の子たちは肩から水筒、若いお母さんも軽装。きっと、もう何度もこのように親子で万博に通ってみえることでしょう。

 駐車場に入ったのが15時とかなり早め。そこで、会場の遠景を楽しみながら周辺をサイクリングすることにしました。前回、長久手サテライト会場からみた光景が気に入ったので、また違った角度から遠景を撮影したくなっったんです。会場周辺のわき道へは乗用車侵入禁止となっているので、周辺域で好きなアングルを探すとなると自転車で動きしかないんですよね。

 写真右下は、県道田籾線と平行している香流川左岸から撮影したもの。田園風景の向こうに西ターミナル、そして展覧車や大観覧車が展望できます。会場内の喧騒から程遠く、なんとものどかな光景ですね。さらに、東方向へ自転車を走らせましたが、丘陵に阻まれて会場を展望できるスポットをみつけることもできず、撮影はあきらめて西ゲートへと向かいました。

県道長久手線 会場北西より望む



 2、アサヒ・パノラマレストラン

 「こいの池」周辺を散策していると、グローバルハウスのマンモス・ラボ観覧を待つ長蛇の列が目に留まりました。愛知万博の目玉とあって、これだけは見たいという遠方からの観客も少なくないようです。列は日を追って長くなっているように感じますが、もうどこのパビリオンも長く並ばないことには入場できない状態。ですから、最近はあまりパビリオンに入る機会もないわけです。

 ふと、視線を上に移すと、視界に入ってきたのが「アサヒ・パノラマレストラン」(写真左)。そういえば、まだこちらには入っていませんでした。小腹も空いたし、ここで早い夕食にすることにしました。中はセルフサービス、カツカレーとジンジャーエール(ビールではないです)の載ったトレーを持って、展望席へ(写真右)。

 左にはグローバルループ、真下には「こいの池」、そして対岸には「大地の塔」や展覧車(写真右、下)。日が沈み行く中、いままで見たことの万博の光景を楽しみながらの夕食、贅沢ですねぇ。閉幕間際に残していた宿題をまたひとつ片付けることができました。万博も残すところ1週間ですから、やり残したことがないように、会場を這い回りたいものです。


アサヒ・パノラマレストラン パノラマレストランからみた展覧車と、今日の夕食
パノラマレストランから「こいの池」を望む



 3、夜の地球市民村ライブ

 本日の一番の来場目的は、モリゾーキッコロメッセでのイベント(後述)。その前に、足はついつい地球市民村の方へ向かいます。本日はFMラバースのDJを迎えてのイベント(写真左上)。前回の地球市民村でのライブのときと異なり、席はすでに満席、立ち見も見えました。光り輝く大観覧車を見上げながら、私の好きな地球市民村の雰囲気にしばらく浸っていることにしました(写真右上)。

 やがて、ライブの開始。前回と打って変って今日の演目は、激しいビートのロック、ライティングもご覧のように派手目(写真左下)。ジャズしか聴かない最近の私にはちょっと重いですねぇ。会場は出演者の身内らしき人たちも多いようで、もう最初から大きな歓声が響き、大変な盛り上がりようです。

地球市民村の広場 大観覧車と地球市民村
ライブ 大観覧車からみた地球市民村


 ンサートを抜け出し、向かった先は大観覧車。昼間に一度、乗ったことはあったんですが、夜間は未体験。前回は待ち時間なしでしたが、今日はなんと40分待ち。もちろん、相席。小雨が降る中、傘もなく、大観覧車を下から見上げながら行列に加わりました。

 大観覧車から見下ろす夜の万博会場(写真下)は、宝石を散りばめたような美しさ。短い時間でしたが、最後の最後、夜の光景を堪能することができました。ちなみに、上の写真(右下)は先ほどまでいた地球市民村、ライブはまだまだ続いているようです。




 4、特別展「タイムスリップ大阪万博」

 日の一番の目的は、本日から開催されるモリコロメッセで開催中の「タイムスリップ大阪万博〜1970年の軌跡」。モリコロメッセで開催されるイベントには何度も参加してきましたが、やはり一番楽しみにしていたのが最終イベントのこれ。なにしろ、私にとっての万博の原体験がここにあるわけですからね。

 大阪万博の懐かしいシンボルマークが描かれた案内表示に迎えられ、エントランスホールに入ると、これまた懐かしい「太陽の塔」がお出迎えです。すっかりと撮影スポットになっているようで、ここも記念撮影の順番待ち、なかなかの人気ですね。

特別展の案内表示 エントランスホール


 場内に2つのコーナーが設けられています。最初の展示ルームは「EXPO'70 紹介コーナー 」。中央に大阪万博会場の模型が置かれ、多くの方が取り囲んでは懐かしそうに当時の想い出を語ってみえました。多くが、60〜70代の方、大阪博当時は20〜30代だったわけですから、皆きっと多くの想い出もお持ちのことと思います。私も模型の隅から隅まで見渡し、思い出のあるパビリオンを見つけては、35年前にタイムスリップしていました。

 四隅の壁には当時のポスター、資料、そしてパビリオンのホステス(愛知博でいうところのアテンダント)のユニフォームが展示されていて、70年当時のファッション・文化の香りを感じる取ることができました。

 次のコーナーは「万博公園紹介ゾーン 」。特に目を引いたのが会場エリアの航空写真。万博会場造営前の丘陵、会期中、そして閉幕後の様子を映し出したパネルが時系列に沿って展示されていて、会場エリアの変遷を知ることができるようになっています。


 阪万博閉幕後に開設された万博記念公園、実は私も3度訪れているんです。
 
 1回目は、28年前。高校三年生の秋の遠足で、エキスポランドへ。会期中にも乗ったジェットコースター「ダイダラザウルス」に再度乗り、小学生当時を懐かしんでいたことを、懐かしく思います。

 2回目は、22年前。民族学にハマっていた頃、公園内にある国立民族学博物館を訪れました。太陽の塔の下に立ったのは、小学4年生以来のこと。このとき、裸になった太陽の塔を初めて近くで見て、ショックを覚えたものです。会期中の写真(@〜B)とその時の写真(B)を比較してみてください。大阪万博当時の太陽の塔を知るものにとっては、なんとも寂しいものを感じますね。

 そして3回目は15年前。兵庫県へ行く途中、またまた国立民族学博物館へ寄るためにに来場。このときは太陽の塔を後ろから眺めただけでした。写真Cは、このとき購入したテレフォンカード。この後ろに写っている美術館は、その後取り壊されたと聞いています。


〈大阪万博・太陽の塔
@大阪万博・絵葉書(1970) A大阪万博・絵葉書(1970)
B大阪万博・絵葉書(1970)
D万博公園・テレホンカード(1991) C作者撮影(1984)


 阪万博から35年。あのときの感動があったからこそ、今回の愛知万博がこのように楽しめたのだと、改めて痛感しました。そして、近いうちにまた、太陽の塔に会いに行きたいと、無性に感じた次第です。

 なんとも懐かしい、私の想い出の中の大阪万博。そんな大阪万博”回顧展”をみているうちに、会期も残り少なくなったこの愛知万博も大阪万博と同様、遠い遠い想い出の中のものになっていくんだなと、なんだかつくづくと思い知らされたのでした。


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