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万博イベントレポート

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#07 瀬戸市主催・1周年記念「夏川りみコンサート」 06/03/23
 

 愛・地球広場〜トワイライトコンサート

 愛知万博の閉幕も押し迫ってきた9月下旬、愛・地球広場では、連日、ビッグアーティストによるコンサートが繰り広げられていました。9月20日は、愛知万博、NHKのテーマ曲「ココロツタエ」でお馴染みの夏川りみ。夕方のNHKニュースでの万博コーナーは欠かさず見ていたのですが、そのイントロの曲がこれ。すっかりと耳に馴染み、とうとうCDも買ってしまいました。そして万博会場でも、「ココロツタエ」を生で聞けたらと思っていました。

 コンサートの日、夕刻になると広場には多くの観客が集合。そして、代表曲「涙そうそう」がアカペラで始まり、コンサートの幕が開きました。大きな声援と拍手が響きます。でも、その時私がいたのは、広場ではなく、ステージの反対側、グローバルハウスの入場を待つ列の中だったんです。今日がコンサートだったは知らなかったんです(イベントは、いつも行き当たりばったりでしたから)。

 列を抜けて、コンサートを見に広場へ行くか、それともこのまま列に留まり、まだ見ていないブルーホールを見に行くか。一瞬迷いましたが、後ろ髪引かれる思いで、そのまま列に残ることに決めました。ブルーホールの入場はこれが最後のチャンスですが、夏川りみはまた聞けるでしょうから。


 瀬戸市主催・1周年記念「夏川りみコンサート」

 川りみを聞けるチャンスは意外と早く来ました。1周年記念コンサートで夏川りみが瀬戸へ来たのでした。当日、なんとか仕事の都合をつけ、ホール事務所へ電話でチケット予約。最後列が数枚残っていただけ、滑り込みセーフでした。開演を待つ席の両隣の男性も仕事帰りの様子、それに万博でも夏川りみを聞いたとか、羨ましい話です。



 時半開演。大きな声援と拍手に包まれ、夏川りみが登場。今日の私はステージの前、観客席です。待つこと半年、やっとあのときの続きを聴く機会が訪れました。

  曲はバラードを中心に13曲、そしてアンコール2曲。2曲目にいきなり「ココロツタエ」、8曲目に「涙そうそう」。ギター、ベース、キーボード、パーカッションというシンプルながら、かなり強力なバック陣に支えられ、安定した中低音・伸びやかな高音のすばらしい歌声を堪能してきました。

 あとは、沖縄方言・名古屋方言を駆使した楽しいおしゃべりあり、会場の皆と唄い踊ったエイサーあり、現代風にアレンジした石垣島民謡あり、生ギター&ピアノとのデュオあり、ロック調のヘビーな曲あり、新曲ありとバライティーに富んだ2時間半でした。


 は普段、ジャズしか聴かないし、ジャズのコンサートにしか行きません。このようなポップスのコンサートは大学祭の杏里以来、20数年ぶり。今回のコンサートのきっかけは万博なのですが、このようなすばらしいコンサートに出会えたことに感謝です。夏川りみの歌声、特にバラードのすばらしいのはみなさんご存知なので、いまさらここで説明する必要もないでしょう。今日のステージで感動したのがバックバンド。

 最近は、テンポの速い遅いに関わらず、「縦のり」のビートの激しい曲が氾濫しています。歳のせいというわけでもないでしょうが、2・4拍に入るスネアの乾いた音を聴いているだけで疲れてしまいます。その点、今日のバンドの抑えた演奏は安心して聴けました。

 聞かせどころはいろいろありました。やはりバラード。特に、ボーカルとキーボード、ボーカルと生ギターとのデュオは、じっくりと聞かせてくれました。彼らの実力のほどが分かります。パーカッション奏者は、ドラムスのフルセットを使うことはほとんどなく、右手はトップシンバル、左手はボンゴ・コンガという静かなパターンが多くみられました。そんな演奏の中でも一番印象に残ったのが、現代風にアレンジされた石垣島民謡。ときどき入る、ピアノのジャジーなフレージングには聞き惚れてしまいました。

 それにみなさんの器用なこと。途中で、沖縄の伝統楽器に持ち替えたり、ハンドベルに持ち替えたり、いっしょにエイサーを踊ったり。その多才さに、感動したというよりは、感心してしまいました(真似ができない)。


 うひとつうれしかったのが、夏川りみの、故郷・石垣島に対する思い。自身のバックグラウンドである石垣島民謡や石垣島方言を大切にしているのが、ひしひしと伝わってきました。古典的な民謡のほか、現代風にアレンジしたもの、そしてポップスのメロディーの中に厭味なく挿入された沖縄五音階のメロディー(これはアレンジャーさんということになりますが)など。地域文化の重要性をいつも力説(?)している自分にとっても、共感するものがありました。

 休憩なしの、あっという間2時間半でした。帰りの車の中、ずっと「ココロツタエ」を鼻歌で歌いながら帰宅。元気をもらった、心に響くコンサートでした。

                     

                                                     


#06 長久手町主催・1周年記念「思い出の万博展示会」 06/03/23
 

 待ちに待った愛知万博開幕1周年、どの自治体でも記念行事が目白押しです。私にとっての参加イベント第一弾が、長久手町主催の「想い出の万博展示会」。瀬戸へ行く途中、ちょっと見てきました。


 長久手町

 長久手町役場付近は、十数年前には仕事でよく前を通っていたところ、久しぶりです。長久手町は、古い街並みと田園が残る静かな所だったのが、新興住宅地が立ち並び、道路が整備され、いくつかの大学が移転するなど、急速に発展してきました。そして、あれよあれよと言う間に万博のメイン会場に決定。リニモ・高速道路が開通し、全国的にもその名を知られるようになりました。町にとっては激動の数年間だったと想像されます。
 
 役場の庁舎には、他の町ではとっくに取り外された万博の掲示板(写真左)。会場である西庁舎前には「万博カラー」の看板(写真右)。そして会場入り口には、長久手町サテライト会場にあったモリコロの看板(写真左下)。懐かしいですね。



 
 誘致時シンボルマーク

 子供たちの万博の絵画と万博啓発グッズが展示の中心となっています。万博誘致時のシンボルマークが入った啓発グッズも、他の場所ではもう目にすることができない貴重なものとなっています。

 愛知に万博を誘致する際のシンボルマーク(写真下)。これを見ていて思い出すのが、大きなシンボルマークの入った、くすんだ色のラッピング・バス。当時、これが頻繁に名古屋の街を巡回しているのを目にして、醒めた目で見ていたものでした。一般市民の間ではほとんど盛り上がっていませんでしたし、私もまったく関心がありませんでした。

 長久手町の展示を見ていると、啓発活動の熱気が伝わってきます。このように万博準備期から万博に関わっってきた人たちの万博に対する思いは、会期中から関心を持つようになった私のような万博ファンよりも、はるかに重いものだろうと想像されます。

 この開幕1周年に当たり、多くの万博ファンの「1年前に戻ってもう一度万博を味わいたい」という声をよく耳にしました。私としては、万博は十分に堪能したので、1年前に戻りたいとは思わないのですが、もし叶うなら万博開幕カウントダウンの熱気を覗いてみたいものですね。
 



 オブジェ

 長久手役場のロビーで、今まで目にしたことのない万博関連のパンフを収集。万博の「紙資料」収集に力を入れている私ととしては、大いに収穫がありました。庁舎を跡にして駐車場へ向かうと、反対出口に何やら不思議なオブジェが。どうやら万博を記念して、閉幕後に設置されたようです。裏には次のような表記がありました。
   
    長久手町 2005年日本国際博覧会記念時計塔
    緑の手・グリーンハンド
    小川清一 2005.12


 
万博を記念した時計塔やオブジェが名古屋の街にもいくつか残っているのですが、万博閉幕後に新たに作成されたものは見たことがありません。「万博カラー」の大きな記念碑、今日こちらに立ち寄らなければこれからも目にすることもなかったでしょう。うれしい発見でした。

表面 裏面


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